Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
1、研究目的平成29年3月に新学習指導要領が公示された。小学校社会科では、今回の改訂で、深い学びの実現を目指すには、社会的な見方・考え方を用いた考察、構想や説明、議論等の学習活動が組み込まれた課題を追求したり解決したりする活動が不可欠とし、目標の書き出しを「社会的な見方・考え方を働かせ」とした。そこで、社会的な見方・考え方と概念的な知識との関わりを整理するとともに、社会的な見方・考え方を働かせることのできる授業プランの構成を目指し、社会的な見方・考え方を「働かせ」るとはどういうことかに対する答えを導き出したと考えた。2、研究方法まず、社会的な見方・考え方に関する文献を研究し、示唆を得た。小学校社会科における概念的な知識を今一度明確にすることを意識した。そして、社会的な見方・考え方の具体的な視点、方法と小学校社会科における概念的な知識を関連付けた。次に、関連付けた概念的な知識を含む単元にて、実際に社会的な見方・考え方を働かせることのできる授業作りを行った。本年は、小学校中学年で学習する地域の産業を題材とした。3、研究成果今回は、廿日市のけん玉という学習材を使って、地域の特色を生かしたまちづくりの取り組みについて考える授業を構想、実践した。社会的な見方・考え方として「地域の価値の保全と創造」を概念的知識として位置づけた。研究を通して、小学校社会科において社会的な見方・考え方を働かせるには、①どんな学習材を取り上げるのか、②どんな社会的な見方・考え方を育成するのか、③どのようにして現代の社会問題に関連づけて考えさせるのか、という3点を明確にして教材開発、授業実践を行う必要があるとわかった。また、身につけた社会的な見方・考え方を、他の社会的事象に対して使い考えることで、さらに強く働かせることができることもわかった。
All 2019
All Journal Article (1 results)
初等教育