Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 国語科において, 思考の枠組み(フレームリーディング)を作るために, 有効な作品群を見つけカリキュラム開発を行い, その有用性を検証することを目的としている。特に, 思考の枠組みを得やすいような作品群を見つけることに着目を置いて研究を進めた。特に本研究では, 「物語文」に重点を置いて行った。 思考の枠組みを作るために用意した作品群の有用性について, 考察をしていく。 研究の方法としては, ①作品群の開発を行う, ②ある作品を使ったクラスと使っていないクラスで授業を行う, ③作品を使ったクラスと使っていないクラスでどのような変化があったかテータをとる, という方法で行った。検証を行うために, 各クラスで授業前と授業後のアンケート調査をし, それらの比較を行った。特に作品群を使ったクラスでは, 「作品(群)を読み比べるとわかりやすいか」という質問項目を入れた。 児童アンケートの結果は, どのクラスも「物語文」に対して興味・関心が高く, 作品を使ったクラスと使っていないクラスで授業の前後で大きな差はなかった。「作品(群)を読み比べるとわかりやすいか」という質問に関しては, 84.8%が「役に立った」という結果を得た。 本研究に取り組んだことで, 様々な作品(作品群)を一度に読むことは, 一見すると困難のように思えるが, 児童自身の興味・関心が下がることなく, 思考の枠組みを作るために有効であることがわかった。また, 様々な作品(作品群)を読むことにより, 児童の読書量も増え, 各作品を読む速度も速くなり, ほかのクラスと同じ時数で授業を行うことができた。 作品や作品群は無数にあり, それぞれをどのように組み合わせるかによって, 効果に差がでてくることがわかった。今後は, メインとなる作品とサブの作品(焦点化教材)の扱う順番についても考えておく必要性を感じた。
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