「遊びの指導」の授業構造の違いが授業づくりに与える影響の検討
Project/Area Number |
18H00165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1190:Special needs education-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菅原 宏樹 千葉大学, 教育学部附属特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2018: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 遊びの指導 / 授業の構造 / 実践知 |
Outline of Annual Research Achievements |
「遊びの指導は難しい」という現場の声が多く聞かれる一方で、授業展開を支える理論と方法論に関する議論は乏しい。その背景には「指導形態や場の設定、実施計画、児童や教員の規模」など授業の構造の多様性がある。そうした中では「難しさ」に対しての画一的な答えを求めるだけでなく、各校に蓄積された実践知を拾い集めることが必要と考えた。本研究では、知的障害特別支援学校4校の遊びの指導の実践における指導形態や場の設定、指導目標の捉え方などの授業の構造と、各校での授業づくりの在り様との関係性について明らかにすることを目的とした。 千葉大学教育学部附属特別支援学校では、小学部全体で、体育館・グラウンドに10種前後の遊具を設置する「ランド型」の自由遊びを展開し、指導目標を「人と関わる力」としていた。岡山大学教育学部附属特別支援学校では、主に学年を対象に教室やプレイルーム等で5種前後の遊具を設置して自由遊びを展開し、児童の意欲に注目したねらい設定を行っていた。秋田大学教育文化学部附属特別支援学校では。小体育館、中庭等に10種前後の遊具を設置する「ランド型」の自由遊びを展開し、指導目標を「人と関わる力」としていた。島根県立松江養護学校では、1~3年を対象に教室やプレイルーム等で5種前後の遊具を設置し自由遊びを展開し、体を動かす、場を共有する、素材に関わるなどして遊ぶことに注目したねらい設定をしていた。特に、目標に関しての差異が授業づくり影響していると考えらた。具体的な行動目標を立てていない3校では「目標を重視することに迷いをもつ」「具体的な目標設定が難しい」「毎時間の評価にこだわらず長期的なスパンで捉える」など、遊びの指導における目標の捉えについての意見が聞かれた。他方、比較的行動的な目標設定を行う1校では「どのように目標を達成するか」という方法論的な意見が聞かれた。本研究の結果、対象となった4校について、遊びの指導における場、対象学年、目標等の授業の構造と、それに関連する授業づくりにおける悩み等についての多様な様相が明らかになった。今後、本研究を足掛かりに対象を広げ、遊びの指導における授業の構造と、難しさの関連についてさらなる調査を行うことで遊びの指導の授業展開を支える理論や方法論について探求的に明らかにしていくことができると考える。
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Report
(1 results)
Research Products
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