吃音児への流暢性形成法に用いる語・文リストの開発 : 心理言語学的な知見をふまえて
Project/Area Number |
18H00168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1190:Special needs education-related
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Research Institution | 福生市立福生第七小学校 |
Principal Investigator |
髙橋 三郎 福生市立福生第七小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥420,000 (Direct Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2018: ¥420,000 (Direct Cost: ¥420,000)
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Keywords | 吃音 / 心理言語学 / 流暢性形成法 |
Outline of Annual Research Achievements |
学齢期の吃音児への指導法のひとつに流暢性形成法があるが、心理言語学的な知見をふまえた流暢性形成法に使用する語・文リストが無いという問題点がある。そこで、本研究では吃音の生起に影響を及ぼす心理言語学的要因を検討し、その上で基礎的知見に基づいた語・文リストを作成することを目的とした。 まず、本研究では小学生の吃音児の自由会話データを分析し、文レベルの要因と語レベルの要因が吃音の生起に及ぼす影響を検討した。従来から、吃音頻度への文レベル及び語レベルの要因の影響は検討されてきたが、単一の実験デザインにおいて、どちらがより吃音の生起に影響するかを検討したのは今回が初めてである。18名の吃音児の自由会話データを収集し、発話を分析した。従属変数を吃音の生起の有無とし、独立変数に文レベルの要因(統語的複雑さ、文の長さ)と語レベルの要因(バイモーラ頻度、移行の要因、語の長さ)を投入したロジスティック回帰分析を行った。その結果、文レベルの要因のうち、文の長さは吃音の生起に有意に影響を及ぼしていたが、統語的複雑さの影響は見られなかった。語レベルの要因については、どの要因も吃音に有意な影響を与えていた。吃音の生起に影響する4つの独立変数におけるオッズ比を比較したところ、文の長さのオッズ比は著しく小さかった。以上の結果から、学齢期の吃音は語の音韻的要因の影響を受けやすく、文レベルの要因の影響は限定的であることが示唆された。この結果の一部は、広島で行われた国際学会にて報告した。なお、この研究結果については今後、国際誌に投稿予定である。加えて、10月の日本音声言語医学会では幼児の発話の非流暢性に対する文レベルの要因の影響を検討した。以上の研究結果をふまえ、流暢性形成法に用いるリストを作成した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)