Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的 : 本研究は, e-Learningコンテンツの制作における第三者著作物の利用許諾を行う際に必要な情報を異なる大学に所属する教職員が共有できるサイトを構築することで「著作権処理開始のハードルを下げる, かつ作業の効率化を実現すること」が目的である。 成果 : 主に下記の3点を開発した。 ①SNSで情報共有サイトを開発し, 主にe-Learningでの著作権処理に関わる教育機関12校の教職員に公開し, 情報共有を開始した。当該サイトにより, 周囲に専門家がいない場合も, 他大学の教職員に問合せが可能となった。2019年4月現在, 情報共有サイトへの投稿は, 著作権処理等に関する質問と返信が合計54件, 著作権法等に関する情報提供と返信が合計35件であった。①のSNS情報共有サイトへ参加する教職員3名で, 別途メッセンジャーでグループも組んだが, メッセンジャーの方が利便性高かった。新たな課題として, 著作権の質問事項は, デリケートな内容も含み, 完全公開は難しく, IDを付与するSNSの場合においても, 利便性や気楽に投稿するという点で, 再検討が必要であることが明らかになった。 ②愛媛大学での実践事例をベースに「オンライン授業のための著作権処理ハンドブック」を香川大学・山口大学と協同開発した。 ③愛媛大学内での教職員に対して, 第三者著作物への認識の向上と, 状況を把握するため, 必要最低限の情報に絞ったe-Learning教材と小テスト・アンケートを開発した。 2018年5月に「著作権法の一部を改正する法律」が公布され, 授業目的での公衆送信の補償金を支払えば, 今後第三者著作物に対する無許諾での利用態様は広がる。しかし, 全てが対象となる訳ではなく, 継続した情報共有と啓発が必要である。今後は, ①のSNS情報共有サイトの運用方法を改善しつつ, 学内の知財教育必修化に向け, 知財教育情報サイトの運用へと繋げる予定である。
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