Outline of Annual Research Achievements |
理科教育におけるICTの活用は様々な場面で行われ, 学校教育においてタブレット端末の導入が進んでいる。理科教育におけるタブレット端末の活用は観察の支援だけでなく, 興味の喚起や自然認識の定着あるいは, コミュニケーションの支援でも活用可能である。 筆者が, 試みたタブレット端末のスロー再生を活用した観察, 実験の取組は以下の点において, 有効に機能したものと考えられる。1点目に, 対象者の感想から, 本研究におけるタブレット端末のスロー再生の活用の試みが, 速い煙の動きをゆっくり観察することによって分かりやすく理解させる効果をもたらしたこと。このことは, 本研究でのタブレット端末によるスロー再生機能の活用は, 児童の自然認識の定着をより一層促す効果をもたらすと言える。2点目に, タブレット端末のスロー再生による手法が, 対象クラスの構成員に対していつもの授業より, 興味を喚起させ学びたいという意欲を喚起させると判断させる効果をもたらしたことである。このことは, タブレット端末のスロー再生機能を活用する理科の授業の教育効果は大きいことが考えられる。3点目に, 協働によるタブレット端末の活用が, 対象クラスの構成員に対していつもの授業より周囲の対象者とのコミュニケーションを図らせると判断させる効果ももたらしたこと。このことは, 数名によるタブレット端末の活用が, 協働を促進させる効果があることが考えられる。 以上の結果から, 今後の学校教育における理科授業の上記観察, 実験において, タブレット端末の録画再生機能が有効に活用されることによって, 児童生徒の自然認識の定着と授業に対する意識の変革を促進する授業改善に資することが明らかになった。 本研究の成果は, 信州大学教育学部附属次世代型学び研究開発センター紀要にて1件の論文が受理され, 日本教科教育学会にて1件, 臨床教科教育学会誌にて2件, 論文が受理されている。また, 日本理科教育学会に1件の論文を現在投稿中である。
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