視覚障害者が手で触って分かる立体的ハザードマップ教材の開発
Project/Area Number |
18H00192
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1200:Educational technology-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
萩 達也 国立大学法人名古屋工業大学, 技術部装置開発課, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥460,000 (Direct Cost: ¥460,000)
Fiscal Year 2018: ¥460,000 (Direct Cost: ¥460,000)
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Keywords | ハザードマップ / 触図 / CAD/CAM |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、日本全国で自然災害が頻発し、災害に備えるハザードマップへの関心が高まっている。視覚障害者にも、触図を用いてハザードマップの情報を伝えることが可能である。触図とは対象形状を、凸状の点や線または、点字で表した図である。3Dプリンターを利用して地図の道路を触図化した事例があるが、視覚障害者が浸水などの被害想定区域を、触って分かる凹凸テクスチャーで表すことは技術的に難しい。また、3Dプリンターでハザードマップを製作するには仕上がり具合や造形精度において改良の余地がある。本研究は精密工作機械を用い、視覚障害者が指でなぞって避難経路や浸水などの被害想定区域が分かる、精緻で立体的なハザードマップ教材を開発することを目的とした。 教材の製作手順 ① 国土地理院の5mメッシュ基盤情報地図を編集して、ハザードマップ対象地区の主要建物や道路を抽出する。専用ソフトウェアを使い、道路を高さ方向に伸ばした立体データを作成する。このデータを工作機械に転送し、CAD/CAM操作を行った後、アクリル材を切削して道路網を製作した。 ② 被害想定区域は指で触ると、刺激を感じやすい円錐状突起を並べたテクスチャーを機械加工した。円錐突起の高さや並ぶ間隔を変化させ、被害の程度を表現した。今回は浸水と地震発生後の火災の想定区域をテクスチャー化した。 ③ 道路網と円錐状突起のテクスチャーをハザードマップボードに貼り付け完成させた。 その結果、3Dプリンターに代わって工作機械により、ハザードマップ情報を精密かつ敏感に触知できる教材を開発した。本研究の製作手順で日本全国どこでも同様のハザードマップを製作できる。教材は製作したデータを再利用すれば容易に複製でき、多方面で活用される。学会発表では「本学習教材は視覚障害者の災害教育に期待できる。」と好評であった。災害教育の一助となるよう、視覚障害者や教育現場からの要望に応えたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)