Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 : データマイニングとは過去の経験を元にあらたなデータから知識を取出す技術である。多様な生物の分類はまさにそのデータマイニングの集積だといっても過言ではない。しかし, これまでの教育活動においては, 科学的に明らかにされてきた事柄を, その結果だけ伝えるものがほとんどであり, その過程を問うものではなかった。この問題を解決するひとつのパターンとし, データマイニングを取り上げることにより, 学習者が「生物の莫大な情報を主体的・対話的にデータマイニングして, 」「共通性と多様性を解析する」新たな学びの手法を習得することが期待し, 研究を実施した。 ○研究成果 : 共通性・多様性に気づく仕掛けとして, 生物の形質をもとに生物種を推論していくクイズを設定したところ, 言語だけでなくノンバーバルなコミュニケーションも推論には重要な過程であることが分かった。また, コミュニケーションの過程では, データベースを参考にする, というよりは, これまでに培った形式知や経験知を利用した生物間の同一性と差異性を学習者間で対話することが多く, 当然ながらメジャーな知識でなければ学習者間で共有することができにくいため, 分類の手法が深まるためには, いかに学習者の中で共有する知識を培うことができるのかが重要である。他者の存在を必要とする主体的・対話的な学びは, データマイニングするための事前学習, さらには, 学習者間の共有する知識を拡大していくために, 他者に説明をして理解をさせるコミュニケーション力が前提となる。つまり, 生物種における客観的な情報の拡充とその利用は, 車の両輪関係にあり, そのことから多様な生物の分類はデータマイニングの恰好の題材であり, 発展性の高い課題であることが明らかとなった。また, 副次的な成果として, 他者への説明もまた, 相手との相互理解の可否の経験となり, データマイニングの場面となりうることが明らかとなった。
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