Project/Area Number |
18H00217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1210:Science education-related
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
松原 俊二 奈良女子大学, 附属中等教育学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥240,000 (Direct Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2018: ¥240,000 (Direct Cost: ¥240,000)
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Keywords | 実験動物 / オオスカシバ / 人工飼料 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物の授業においては、生きた生物を教材として活用することは必要不可欠であり、そのような授業は教育的意義も大変高いように感じる。一方で、生きた生物を授業で活用する際には、個体数の確保や飼育など、事前準備に多くの労力を費やす必要があり、教員の負担感はとても大きい。そこで本研究では、誰でもいつでも気軽に授業で活用できる実験動物としてオオスカシバの教材生物化を目指し、①実験室内でのオオスカシバの人工飼料育法の確立と、②オオスカシバを活用した新しい授業の開発を試みた。 ①オオスカシバ幼虫は、人工飼料での飼育が可能であることがわかっており、勤務校の実験室レベルでの人工飼料育が可能かどうか検討した。具体的には、カイコ用人工飼料(シルクメイトL4M)にクチナシ葉粉末を20%の割合で混ぜ合わせたものを調整し、学校近隣で捕獲したオオスカシバ幼虫にエサとして与え、成長を記録した。その結果、クチナシ生葉で飼育した個体と比較しても、人工飼料で飼育した個体の成長速度や体重の変化に遜色はなく、学校の実験室レベルでもオオスカシバ幼虫の人工飼料育が可能であることがわかった。さらに幼虫から、蛹・成虫とステージを進めることが確認できたため、実験室内での継代飼育が可能であることも示唆された。しかしながら、現時点で成虫の交尾行動および産卵行動は確認されておらす、この点に関しては今後の課題である。 ②中学2年の理科の授業(生物の分類)で、幼虫や蛹を見せながらオオスカシバの生態を紹介した。昆虫類がもつ一般的な特徴や、オオスカシバがもつ特性などに触れながら、動物の生活のしかたや体のつくりを説明する教材として、活用することができた。今後は、高校生物において「相変異」の授業や解剖材料として利用するだけでなく、探求活動における実験動物としての利用や、飼育を通して「生命の連続性」を体感できるようなプログラムの構築を目指したい。
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