中等4年「理科課題研究」における、女子生徒の興味・関心を引き出す物理教材の開発
Project/Area Number |
18H00226
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1210:Science education-related
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
藤野 智美 奈良女子大学, 附属中等教育学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2018
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
|
Budget Amount *help |
¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
Fiscal Year 2018: ¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
|
Keywords | デジタル・コンテンツ / 無重力状態 / フーリエ級数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、女子生徒の感性をターゲットとした物理教材の開発を目指し、事前アンケート調査で男子生徒に比べて女子生徒が特に高い興味・関心を示した「デジタル・コンテンツを用いた芸術作品と物理の関わり」を意識した教材開発に取り組んだ。題材として、動画および電子音楽を扱った。 課題研究の実践においては、新設科目「数理探究」に向けた実践を意識し、当該科目が目指す資質・能力の1つである「科学的な見方・考え方や数学的な見方・考え方を豊かな発想で活用したり、組み合わせたりできる力」の育成に資する指導方法を目指した。以下に具体的な内容を示す。なお、課題研究は生徒3~4名で1グループ(男女混合)で実践した。 ①無重力状態を実現した映画の撮影方法を考える 映画「アポロ13」を題材として、無重力シーンの撮影方法について仮説を立案させると共に、仮説の検証実験を考えさせた。立案した検証実験を屋内外で実施させ、加速度変化や動画解析に基づく分析を発表させた。加えて、無重力状態における慣性力の寄与について概念形成と発展的考察を行わせた。 ②ExcelとGrapesを用いて電子音を作成する 音の合成やフーリエ級数の仕組みについて考察させ、Excelのマクロを作成させることでフーリエ級数の数理解析の仕組みについて学習させた。作成したマクロによって周波数解析を行ったデータをGrapesによって合成し、電子音を作成した。音叉による実習から管楽器の複雑な波形の合成など、段階的に課題を実践した。 事後アンケートの結果より、「物理学との関連性に新しい視点を得ることができた」という回答が全受講者の9割から得られた。特に女子生徒においては電子音の論理メカニズムをもとに自身の好きな楽器音を再現する課題が好評であり、女子生徒の感性に寄り添う教材として効果が高いと考える。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)