合理的な意思決定に向けた統計的考察と確率的判断を結び付ける授業の開発
Project/Area Number |
18H00228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
1210:Science education-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
藤原 大樹 お茶の水女子大学, 附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥440,000 (Direct Cost: ¥440,000)
Fiscal Year 2018: ¥440,000 (Direct Cost: ¥440,000)
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Keywords | 統計 / 確率 / 意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 「合理的な意思決定のために統計的な考察と確率的な判断を結び付ける数学的モデリングの授業を開発して単元に位置付け, 実践・検証して成果と課題を明らかにすること」を主目的とした。先行研究からビジネスにおけるデータ分析の局面(説明的・予測的・指示的分析)や統計的問題解決過程を参考に, 授業「相手投手を攻略しよう」を開発した。新学習指導要領で実施予定の「四分位範囲・箱ひげ図」単元を試験的に設定し, 実際のプロ野球選手の過去の投球データを用い, 生徒の合理的な意思決定の原動力となる批判的思考を促す手立てを設けて実施し分析した。本研究の成果は以下のとおりである。 ①生徒の合理的な意思決定の動機付けを促すためには、次の2つがが有効である。 i) 具体的な問題場面において、根拠を明らかにして意思決定したり、対象を意識して表現したりする機会を設ける。(本授業 : コーチから監督に打撃練習計画を提案するプレゼン資料作成) ii) 意思決定に有益で加工しやすい統計データを準備し使用させる。(本授業 : 多項目の投球データ) ②生徒の合理的な意思決定を進展させるようにするためには、統計的問題解決過程において批判的思考を促すことが重要で、そのための手立てとして次の3つが有効である。 i) ICT活用 : 思考の可視化や表現の容易化等のため、統計データやワークシートをデジタル配付し活動させる。(本授業 : Excelの投球データ、PowerPointのワークシート、統計ソフトでの分析) ii) 学習形態 : 小集団で協働的に活動させる。(本授業 : ペアでPC操作係・記録用紙記入係の分担) iii) 授業展開 : 活動を教師主導から生徒主体へ移行する。(本授業 : 「全投球の球速の平均値を基に練習を立案してもよいか」との一斉発問から, 生徒各自の問いによる多様な分析・提案への移行) 本研究の意義は, 過去のデータを基に未来の意思決定を行うという実社会での行為を疑似体験する授業を開発し, そのために不可欠な批判的思考を促すための手立てを特定したことである。新学習指導要領では中1と中2の両方で統計と確率を隣接して学ぶ。そのよさを生かした指導についての実証的な研究は他にない。平成31年度からの先行実施に向けて必要不可欠な研究である。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)