固相表面を反応場とした違法薬物代謝物抱合体の迅速加水分解法の検討
Project/Area Number |
18H00291
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
2170:Materials engineering, chemical engineering and related fields
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Research Institution | 愛知県警察本部刑事部 科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
石場 厚 愛知県警察本部刑事部 科学捜査研究所, 警察職員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
Fiscal Year 2018: ¥430,000 (Direct Cost: ¥430,000)
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Keywords | 抱合体 / 加水分解 / 固相抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】大麻の乱用が大きな社会問題となっており、その摂取を証明するには尿中から大麻成分代謝物である11-ノル-9-カルボキシ-Δ9テトラヒドロカンナビノール(THC-COOH)を検出する必要がある。THC-COOHはグルクロン酸抱合されているため、機器分析の際は、抱合体を加水分解する必要があり、このことが分析における迅速性を妨げる一因となっている。そこで通常行われている溶液中での加水分解に替えて、薬物抽出に用いられている固相抽出カートリッジの固相表面上で加水分解を行うことに着目し、迅速・簡便化を目指した。 【実験方法】ポリマーベースの各種固相抽出カートリッジ(Waters社製Oasis HLB、MAX、MCX、WAX、WCX)にTHC-COOH-グルクロニド水溶液(0.5μg/mL)1mLをロードし固相表面上に成分を保持後、各濃度のアルカリ水溶液を通液し、加水分解を行った。その後、固相表面上の保持成分をメタノールで回収した。反応収率はLC/MSを用いて生成物(THC-COOH)と内標準物質(THC-COOH-D9)のピーク面積比より算出した。 【結果】抱合体をHLBに保持し、1M水酸化ナトリウム水溶液1mLを1分かけて通液したところ、収率は10%程度であったが、アルカリ濃度、反応時間を増加することで収率は改善され、5Mであれば5分、8Mであれば3分で収率は90%を超えた。また固相の種類によっても収率に違いがあり、固相表面上のイオン交換樹脂が加水分解に関与することが示唆された。一方、固相表面からの成分の回収にメタノールを用いるとTHC-COOHのほかにグルクロン酸も回収されるものの、酢酸エチルを用いることでグルクロン酸の回収が抑えられクリーンアップ効果が示された。本手法は、抽出と抱合体の加水分解を同一操作で行うため、薬物分析における迅速・簡便な前処理法として期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
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