Project/Area Number |
18H00307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
2190:Physical chemistry, functional solid state chemistry, organic chemistry, inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, polymers, organic materials, inorganic materials chemistry, energy-related chemistry, biomolecular chemistry and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野矢 洋一 北海道大学, アイソトープ総合センター, 技術専門員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
Fiscal Year 2018: ¥520,000 (Direct Cost: ¥520,000)
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Keywords | 短寿命α核種 / 安全管理 / 測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
(目的) 本研究は、従来、一般的な放射線施設での研究利用が困難であった短寿命α核種の合理的かつ有効な測定・評価法を開発し、安全管理への適用を実現することを目的とする。 (方法) 短寿命α核種として^<223>Ra(塩化ラジウム)を用い、各種測定器で測定効率及び検出限界値を求めた。さらに^<223>Raで汚染した各種素材の汚染除去並びに空気中への飛散を測定し、安全管理への適用を検討した。 (結果) 1) 測定効率 : 液体シンチレーションカウンタ及びガンマカウンタでは試料を密封して、^<223>Raと放射平衡にある全ての核種*を測定対象とした。この結果、液体シンチレーションカウンタで500%、ガンマカウンタで90%を超える測定効率を得た。また、サーベイメータでは、GM式、α線用とも15~20%程度の測定効率であった。今回の結果から得た検出限界値は、排水及び汚染の法定基準を満たすものであった。 *^<223>Raは飛散性の極めて高い^<219>Rn(放射性希ガス)に放射壊変を行い、その後、^<207>Pbに至るまでの計8核種の壊変系列を生成する。なお、測定効率は^<223>Raの壊変数に対する測定値の比で示した。 2) 飛散 : ^<223>Ra自体の飛散は認められなかったが、幾つかの娘核種の飛散が検出された。これにより、^<223>Raから壊変した^<219>Rnが飛散し、その後、飛散物中で最も半減期の長い^<211>Pbを親とする第2の放射平衡が生成することが分かった。 3) 汚染除去 : 各素材の汚染除去率は、素材の表面状況(平滑さ)とふき取り方法に依存した。素材別ではコンクリート→Pタイル→鉛板→アクリル板の順に、ふき取り方法は乾式→湿式(水)→湿式(0.1N塩酸)の順に汚染除去率が向上した。 (考察) 各種測定器を用いた排水及び汚染等の測定・評価法、汚染除去法等の^<223>Raの安全管理に関する幾つかの知見を得た。これらの技術・方法は一般の放射線施設でも実現可能である。一方、娘核種の飛散にも対応する必要がある空気中濃度の管理においては、評価法を含めた更なる検討が必要である。
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