Project/Area Number |
18H00310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
2190:Physical chemistry, functional solid state chemistry, organic chemistry, inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, polymers, organic materials, inorganic materials chemistry, energy-related chemistry, biomolecular chemistry and related fields
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Research Institution | 大阪府警察本部刑事部科学捜査研研究所 |
Principal Investigator |
松田 駿太朗 大阪府警察本部刑事部科学捜査研研究所, 化学研究室, 研究員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥340,000 (Direct Cost: ¥340,000)
Fiscal Year 2018: ¥340,000 (Direct Cost: ¥340,000)
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Keywords | コカイン / 代謝 / 摂取証明 |
Outline of Annual Research Achievements |
違法薬物の使用を取り締まる際に、尿試料から薬物の未変化体だけでなくその代謝物も併せて検出し、摂取を証明することが必須である。一般にコカインについては、主要代謝物であるベンゾイルエクゴニン(BE)及びエクゴニンメチルエステル(EME)を検出し摂取証明がなされている。しかし、BE及びEMEはいずれもコカインからエステル結合が加水分解された化合物であり、それぞれがコカインの部分的構造を反映しているに過ぎず、両方の代謝物が共に検出されてはじめて、コカインの摂取を証明できる。なお、コカインが化学的に加水分解されてもBEが生成することが知られており、BEが検出されたとしても代謝によるものか尿試料中に混入されたコカインから分解して生成したものか慎重に判断する必要がある。そこで本研究では、母化合物の構造をそのまま反映している代謝物である、コカインN-oxide(CNO)に着目し、コカインの摂取証明に有用な代謝物となりうるか検討及び評価した。 コカイン使用者の尿試料10検体について、液-液抽出法によって前処理を行い、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)を実施したところ、ほとんどの試料からBE及びEMEが検出されたが、CNOは不検出若しくはごく微量であり、摂取証明への利用は難しいと考えられた。 その他に摂取証明に活用が期待される代謝物を探索したところ、コカインのベンゼン環OH体がいずれの尿検体からも比較的高濃度で検出された。この代謝物はコカインの構造をそのまま反映している代謝物であることから、コカインのベンゼン環OH体がBEやEMEに取って代わる摂取証明の際に有用な代謝物となることが期待された。
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