Project/Area Number |
18H00311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
2190:Physical chemistry, functional solid state chemistry, organic chemistry, inorganic/coordination chemistry, analytical chemistry, polymers, organic materials, inorganic materials chemistry, energy-related chemistry, biomolecular chemistry and related fields
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Research Institution | 長崎県警察本部刑事部 科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
嶋田 裕史 長崎県警察本部刑事部 科学捜査研究所, 警察職員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 発光性金属酸化物ナノシート / 化学センサー / 水溶性農薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
金属酸化物ナノシートは、結晶の一層から成る厚さ1nm程度のシート状化合物である。これらの分散液にユーロピウムイオン(Eu^<3+>)などの希土類金属イオンを加えると、ナノシートがアンテナとして機能して希土類金属イオンを励起することにより、発光性を付与することができる。本研究では、発光性を有する金属酸化物ナノシートをプローブとして利用した高極性・水溶性農薬の簡便・迅速な検出法の開発を目的とした。 まず、酸化チタン(TiO_x)ナノシートの分散液に酢酸ユーロピウムを加え、赤色蛍光を発するナノシート分散液を調製した。これに、水溶性の除草剤であるパラコートを加えると、その濃度に応じて蛍光強度の低下が観測された。これは励起光により価電子帯から導電帯に遷移した酸化チタンの電子が、パラコートに移動するためにEu^<3+>の励起が阻害されるためと考えられた。TiO_xナノシートからパラコートへの電子移動を確認するため、TiO_xナノシート分散液にパラコートを加え、窒素ガスをバブリングして溶存酸素を除去したものに波長254nmの紫外光を照射した後、UV-visスペクトルを測定した。その結果、短時間の照射で分散液の色が青色に変化し、UV-visスペクトルからもパラコートの一電子還元体(青色を呈する)が生成していることが示唆されたことから、ナノシートからパラコートへの電子移動が確認された。 次に、結晶中にテルビウムを有する酸化ニオブナノシート(緑色蛍光)の分散液にパラコートを添加すると、同様に蛍光の低下が観測され、検出限界は0.5μM、検量線は10μMまで直線性を示した。
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