Project/Area Number |
18H00315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3110:Agricultural chemistry, agricultural and environmental biology, forestry and forest products science, applied aquatic science, agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
菊地 理佳 信州大学, 工学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
Fiscal Year 2018: ¥470,000 (Direct Cost: ¥470,000)
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Keywords | 麹米 / 断面 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、日本酒は国内外から注目を集めており、特に長野県は酒造好適米の育種をはじめ日本酒醸造関連産業が盛んである。日本酒作りでは、製麹時における麹菌の菌回り状態“破精込み”が最も重要であり、製麹時における蒸米への麹菌分布を断面方向から化学的に解き明かすことで、新しい分析手法の提案、新規知見が得られるこ、とから、試料作製法およびTOF-SIMSを用いた分析手法を構築することを目的とした。 (1)試料作製方法の検討 : 生物系試料である麹米は非常に柔らかく壊れやすいため、組織を破壊せずに作製を行うには化学固定、樹脂包埋を行う必要があり、長期間保存、切削加工が容易で薄切処理が可能なエポキシ系樹脂を用いた。麹米は最大厚みが約2mm程度あり、内部は強固な細胞壁や澱粉構造、菌糸、クラックが存在していることから、組織を壊さずに含浸し隅々まで樹脂が入り込む状態を最良とし、断面加工時に試料が変形しないよう細心の注意を払って研磨を行った。 (2)TOF-SIMSによる麹米分析 : 本学に設置するTOF-SIMSは固体表面に対して高感度な質量分析法であり、表面を一次イオンでスパッタすることで発生する二次イオンを検出、解析を行うことで表面の化学組成分布をイメージングできる。測定領域は麹米全体(約3×6mm)と、詳細部分(0.5mm四方)として中心部と外側をそれぞれ取得した。蒸米の主要成分となる澱粉、麹菌の菌由来成分と考えられる二次イオン種を取得し、各成分イメージを合成すると、澱粉の再結晶がどこまで進んだのか、外側から内側に向かって菌糸がどこまで伸長していたのか、"破精込み"の状況を視覚的に表現し解明することができた。また、イメージ像および二次イオン強度を比較すると、試料作製時の化学固定にグルタルアルデヒド(GA)を使用した麹米の測定結果が良好だったことから、試料作製時に最適な工程を確立することができた。なお、本研究は2019年度日本応用糖質科学会大会(9月)で発表予定である。
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