CRISPR/Cas9を用いた潜性致死な遺伝子を標的としたモザイク体の作製
Project/Area Number |
18H00326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3110:Agricultural chemistry, agricultural and environmental biology, forestry and forest products science, applied aquatic science, agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
場﨑 恵太 秋田大学, 医学系研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥510,000 (Direct Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2018: ¥510,000 (Direct Cost: ¥510,000)
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Keywords | CERISPR/Cas / 潜性致死遺伝子 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9システムの開発により、K0マウスを短期間で容易に作製できるようになった。同方法では、高効率でホモK0を獲得できる一方で、ヘテロK0はほとんど得られない。ホモK0で致死となる遺伝子を標的とする場合は、ヘテロK0を得る必要がある。そこで、2細胞期胚の片側割球のみにCRISPR/Cas9を注入による、“モザイク状態の胚”の作製を試みた。モザイク体では、野生型と変異した細胞が混在するため、標的が致死遺伝子であっても生存できる。このモザイク体を用いて、次世代F1でヘテロK0を獲得することを本研究の目的とした。 Pancreatic and duodenal homeobox 1(Pdx-1)遺伝子は、膵臓の形成に関与するため、ホモK0マウスは膵臓の発育不全により生後間もなく死亡する。Pdx-1を標的としたガイドRNAとCas9蛋白を、C57BL/6J由来の2細胞期胚の片側割球のみに顕微注入しF0マウスを作出した。 従来の前核期胚への注入法では、標的ゲノム配列上に高い効率でホモ変異を生じ、生後まもなく死亡したのに対して、2細胞期胚に注入したところ、変異効率は高かったが、多くの産仔が生存して離乳した。さらに変異を持つことが確認されたF0マウスから戻し交配F1マウスを作出したところ、ヘテロK0もしくは野生型を示す同腹仔が出現した。このことから、変異を持つF0マウスはモザイク体であることが示唆され、野生型細胞が混在したことで致死の原因となる器官の欠損が回避されたと考えられた。 本法は、CRISPR/Casの導入効率を保ちつつモザイク体を作製でき、F1世代で効率的にヘテロK0を得られるため、潜性致死遺伝子を標的とした新たなゲノム編集ツールとしての活用が期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
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