Project/Area Number |
18H00335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3110:Agricultural chemistry, agricultural and environmental biology, forestry and forest products science, applied aquatic science, agricultural economics and rural sociology, agricultural engineering, veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | 岡山県警察本部刑事部科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
居郷 哲央 岡山県警察本部刑事部科学捜査研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 動物種識別 / ヘモグロビン / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、野生動物の人居住区域への侵入機会や、ペット飼育世帯が増加している。その為、動物が関係する事件・事故も増えており、血液から動物種を明らかにする必要性が高まりつつある。 高等動物の血液にはヘモグロビンが共通して含まれており、これまでに12種類の哺乳動物(ニホンザル、アカゲザル、ツキノワグマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、シカ、ブタ、イノシシ、イヌ、ネコ、ヌートリア)について、ヘモグロビンのトリプシン消化産物の質量パターンが動物種間で異なることを明らかにした。本研究では、その差異が法科学分野における動物種識別に応用可能であるか検討を行った。 犯罪や事故現場に遺留されている血液は乾燥していることが多いため、12種類の哺乳動物及びヒト血液を用いて実験的に血痕を作製し、血液と同様に、ヘモグロビンの簡易精製とトリプシン消化が可能であることを確認した。血液の消化産物では観測された動物種に特異的な質量の一部は、血痕では観測されなくなったものの、ブタとイノシシ間を除く全ての動物種間において質量パターンに違いが認められた。ブタとイノシシ間では血液においては認められた質量パターンの違いが、血痕では認められず、両者を識別することはできなかった。また、動物種毎に複数個体の血液を等量混合して作製した平均血液サンプルを用いて、動物種特異質量を検出可能な最少血液量を検討したところ、ヤギを除き、2μL以下でも検出可能であった。更に、Mascot検索によるタンパク質推定を試みたところ、登録がないヌートリアを除き、20μLの血液量では由来動物及び近縁動物のヘモグロビンのみが高スコアであり、血液量が少ない場合でも無関係の動物が高スコアとなることはなかったため、Mascot検索は動物種スクリーニングに利用できると考えられた。 以上の結果から、ヘモグロビン消化産物の質量分析は法科学的に動物種を識別できる可能性がある。
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Report
(1 results)
Research Products
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