新規三環式インドール化合物による抗がん活性とp53シグナルとの関連性の詳細解析
Project/Area Number |
18H00355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3130:Pharmaceutical chemistry and drug development sciences-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池田 英里子 千葉大学, 大学院医学研究院, 技術補佐員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 新規化学合成化合物 / 抗がん剤 / p53 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗がん剤の多くはがん細胞のみならず正常細胞においても細胞毒性を示すことから、抗がん剤治療において重篤な副作用が生じ、がん患者のQuality of lifeが大きく損なわれることがよく知られる。したがって副作用の少ない抗がん剤の早急な開発は喫緊の課題である。そこで我々は独自で開発した新規化合物をスクリーニングし、p53野生型ヒトがん細胞株で抗がん剤・シスプラチンと同程度の抗増殖活性を有する新規化合物Xを見出した。一方、ヒト正常細胞では毒性を示さなかった。以上の先行結果を受け、新規化合物Xがp53野生型のがんにおいて、新たな抗がん剤のシーズになりうることが示唆されたことから、本研究は化合物Xの抗がん作用とその分子機序の詳細解析を行った。 野生型p53がん細胞株を用いて化合物Xにおけるアポトーシス誘導をTUNEL染色法およびウエスタンブロット法で検討したところ、DNAの断片化およびp53依存的なアポトーシス関連因子caspase-3/-9の活性化, Bcl-2, Bcl-xLに対するBaxの比の上昇がみとめられた。また、RNA-seq法による遺伝子発現解析を行ったところ、p53野生型と変異型でp53関連遺伝子の発現が2つの異なる群にクラスタリングされた。以上の結果から野生型p53細胞株は化合物X処理においてp53依存的な増殖抑制および細胞死を誘導することが明らかになり、化合物Xがp53野生型がん細胞において副作用の少ない抗がん剤のシーズになりうることが示唆された。 上記の結果は第41回日本分子生物学会(2018年11月28日)においてポスター発表にて報告し、現在論文投稿準備中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)