Project/Area Number |
18H00361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3150:Pharmaceutical hygiene and biochemistry-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小澤 秀介 信州大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 薬物代謝酵素 / 中枢神経系 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系は主に神経細胞(ニューロン)及び神経膠芽細胞(アストロサイト)によって構成されている。本研究ではアストロサイトに発現するCYP1遺伝子に焦点を置き、アストロサイトモデル細胞としてヒト神経膠芽腫瘍細胞であるMOG-G-CCM細胞を用いて、脳内エピジェネティクスがCYP1遺伝子の3-メチルコラントレン(3-MC)応答性に与える影響について検討を行った。 【研究方法】 1、DNAメチル化がCYP1遺伝子の発現制御に与える影響の検討 DNAメチル化は、転写制御因子のDNA結合阻害を介し、遺伝子発現を制御することが知られている。そこで、MOG-G-CCM細胞にDNA脱メチル化剤である5-アザ-2'-デオキシシチジン(AdC、0-20 μM)を処理し、処理後72時間のCYP1A1、CYP1B1のmRNA発現量をリアルタイムPCR法により測定した。 2、DNAメチル化がCYP1遺伝子の3-MC応答性に与える影響の検討 AdC(10 μM)を72時間前処理した後、3-MC(0.3 μM)処理を行い、処理後24時間のCYP1A1、CYP1B1のmRNA発現量をリアルタイムPCR法により測定した。 【研究成果】 AdC処理により、CYP1A1およびCYP1B1の発現がそれぞれ最大2.7倍および38倍誘導され(p<0.001)、その程度はCYP1A1でより顕著であった。また、3-MCのCYP1A1発現誘導は、AdCの前処理により増強した(p<0.001)。一方、3-MCのCYP1B1発現誘導はAdCの前処理による影響を受けなかった。 上記結果より、ヒトアストロサイトにおけるCYP1B1遺伝子はエピジェネティックな発現制御を受けない一方で、CYP1A1遺伝子はDNAメチル化を介したエピジェネティックな発現制御を受ける可能性が示唆された。さらに、CYP1A1遺伝子の3-MC応答性は、CYP1A1遺伝子のプロモーター領域だけではなく、エンハンサー領域におけるDNAメチル化によっても制御を受ける可能性が示唆された。
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