がん疼痛患者におけるオピオイドスイッチング時の体内動態と薬理遺伝学的解析
Project/Area Number |
18H00372
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮﨑 雅之 名古屋大学, 医学部附属病院, 副薬剤部長
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | オピオイド鎮痛薬 / オピオイドスイッチング / 副作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : がん疼痛緩和を目的としたオピオイド鎮痛薬は、臨床現場において単独の鎮痛薬のみでと疼痛コントロールが得られる例は少なく、複数の鎮痛薬の併用あるいは鎮痛薬の変更が行われている。オピオイドスイッチングは、鎮痛効果の向上、副作用症状の回避を目的として施行され、それぞれの用量換算比は一定の比率で行われている。しかしその用量換算比についての妥当性の報告はほとんどなく、有効性は個人差が大きい。そこで本研究では、オピオイドスイッチング前後のそれぞれの血中薬物濃度の測定(Pharmacokinetics)とオピオイドの代謝・排泄に関連する薬物代謝酵素や鎮痛効果に関連する受容体の遺伝子多型解析(Pharmacogenetics)を行い、鎮痛効果や副作用の発現状況(Pharmacodynamics)との関連性について検討した。 研究方法 : がん疼痛の治療を目的としてモルヒネ、オキシコドン、フェンタニル、ハイドロモルフォンを1週間以上使用している患者を対象とし、血中濃度については、高感度かつ高精度な測定法として期待される液体クロマトグラフ/タンデム質量分析(LC/MS/MS)法を用いて測定した。代謝に関わる遺伝子の多型解析は、polymerase chain reaction(PCR)法等を用いて行った。解析する遺伝子は、ミュー(μ)受容体(OPRM1)、CYP3A4、CYP2D6、UGT2B7とした。オピオイド鎮痛薬による副作用症状については、嘔気・嘔吐、便秘、眠気を指標とし、その程度を有害事象共通用語規準v4.0により経時的にGrade評価した。 研究成果 : オキシコドン服用患者31名において、オキシコドン血中濃度/1日服用用量量比は、CYP3A4*1G/*1G遺伝子多型を持つ患者では通常の患者に比べて約2.7倍高かった(CYP3A4*1G/*1G : 2.01、CYP3A4*1/*1+*1/*1G : 0.74)。またオピオイドスイッチ時における各オピオイドの用量換算においては各遺伝子多型との間に特記すべき差は認められなかった。 結論 : オキシコドンの血中濃度はCYP3A4多型との関連が示唆された。オピオイドスイッチ時の影響については今後引き続き症例数を増やして実施する必要があると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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