母集団薬物動態解析による人工心肺中の至適な遊離セファゾリン濃度達成投与法の創出
Project/Area Number |
18H00376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
朝田 瑞穂 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | セファゾリン / 人工心肺 / 創部感染予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】第一世代セフェム系抗菌薬であるセファゾリン(CEZ)は、心臓手術施行患者の術後感染予防に汎用されている。しかし、術中に人工心肺を用いる場合、体液量増加、血清アルブミン濃度低下など薬物体内動態に影響する多くの生理因子が変動するが、人工心肺中の生理因子変動を考慮した詳細な薬物動態の検討はなされていない。そこで本研究では、人工心肺によるCEZ体内動態の変化を母集団薬物動態(PPK)の手法で検討した。 【研究方法】東京医科歯科大学医学部附属病院で人工心肺を用いて心臓手術を実施した成人患者のうち推算糸球体濾過量(eGFR)≧30ml min^<-1>の患者を対象とし、手術前および術中経時的に複数回採血した。CEZ総濃度および限外ろ過法より得た遊離形濃度は、HPLC法により測定した。CEZ総濃度は非線形混合モデル法を用いて解析し、PPKパラメーターと変動要因を解析した。PPKモデルには人工心肺効果をコンパートメントのオン/オフで表現した1-コンパートメントモデルを採用し、個体内変動には比例誤差モデルを採用した。血漿CEZ蛋白結合の個体内変動は、血漿アルブミン濃度と相関する最大結合能(B_<MAX>)を仮定したLangmuir式により解析した。 【研究成果】27名から計199点の血中濃度データセットが得られた。最終PPKモデルの母集団クリアランスと分布容積の推定値は人工心肺施行前後で異なり、それぞれ2.04および2.62(L/h)、9.9および12.6(L)であった。また、CEZの血漿中遊離形分率は人工心肺中に増加したが、その変動はB_<MAX>=149×(血清アルブミン値/3.07) 0.95(mg/L)でモデル化できた。本研究で得られたPPKモデルは人工心肺を利用した心臓手術中の血漿中遊離形CEZ濃度を精度良く予測することが可能であり、今後のCEZ感染予防プロトコール策定に有用であると考えた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)