Project/Area Number |
18H00383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
近藤 勝弘 名古屋市立大学, 医学部附属病院, 薬剤師 主査
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | シスプラチン / 腎障害 / 微量金属 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗悪性腫瘍剤シスプラチン(CDDP)の副作用の一つに腎機能障害が知られており、急性腎障害(AKI)を発現した患者やCDDPの繰り返し投与を受けた患者の中には慢性腎臓病(CKD)へ進行する患者がある。既存の腎機能マーカーである血清クレアチニン値(SCr)ではAKIやCKDの予測性は十分ではなく、より優れたマーカーの開発が望まれている。我々はこれまでに行った動物実験およびヒト尿細管細胞実験から、数種の微量金属がCDDP投与時の腎障害をSCrや尿素窒素(BUN)よりも鋭敏に反映する傾向を認めた。そこで今回、CDDP投与患者の腎障害予測における「微量金属スクリーニング」の有用性を検討することを目的に臨床研究を行った。 対象患者はCDDPベース化学療法が新たに開始される20歳以上の入院患者とし、目標症例数を10例とした。化学療法の各サイクル開始前に血液および尿検体を採取し、既存の腎機能マーカー(SCr、BUN、シスタチンC、24時間畜尿クレアチニンクリアランス、尿蛋白、尿アルブミン値)、および24種類の微量金属濃度を測定し、両者の関連を検討した。対象患者が受けたCDDPベース化学療法は中央値3サイクル(2-4サイクル)であった。本研究では、基礎研究の結果に基づき、血中の3種類の微量金属元素レベルの変動に特に注目した。しかしながら、CDDPの投与と関連した一定の変動はいずれの元素についても認められず、基礎研究と同様の傾向は認められなかった。また、今回の対象症例にはAKIの発現例、あるいはCDDPの繰り返し投与によって腎機能が悪化した症例が認められなかったため、腎障害発現例と非発現例における微量金属の変動の違いを検討することは出来なかった。症例数の増加、あるいは長期間のフォローアップによってCDDP投与回数が増加した状況下での検討行うことで、より詳細に微量金属元素レベルの測定によるAKI-CKDスクリーニングの有用性を明らかにできると考えられる。
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