肺癌経口分子標的薬の個別化投与設計法構築に関する研究
Project/Area Number |
18H00403
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土谷 祐一 九州大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 経口分子標的薬 / 治療薬物モニタリング / 薬物血中濃度測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】近年、非小細胞肺癌の治療成績は、上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬や未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬などの経口分子標的薬の登場によって飛躍的に向上した。しかし、肺癌治療における経口分子標的薬の開始用量は体表面積に関わらず一定のため、用量不足による治療効果の低減や過量投与による重篤な副作用の発現などの問題が考えられる。そこで今回、肺癌における経口分子標的薬を有効かつ安全に使用するため、血中の薬物濃度モニタリングを介した患者個々の至適投与量の設定を目的に検討を行った。 【方法】液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法を用いて、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ)とALK阻害薬(クリゾチニブ、アレクチニブ)の一斉分析系を構築し、血中薬物濃度の測定を可能にした。九州大学病院で同意が得られた患者を対象とし、これら6薬物の血中濃度を測定した。臨床検査値・体表面積・併用薬などの情報を診療録より調査し、得られた血中薬物濃度との関連性を検討した。 【結果】対象症例は25例であった。副作用の発現頻度は全ての薬物を通して皮膚障害が最も多く10名(40%)であったが、血中薬物濃度との関連性はみられなかった。アファチニブでは服用患者の50%で下痢の副作用が生じたが、血中薬物濃度との関連性はみられなかった。エルロチニブでは、投与を中断する肝障害を発現した症例が1例見られ、この血中薬物濃度は今回得られたエルロチニブ血中濃度の平均より高値であった。今回、症例数が少なかったため血中薬物濃度と副作用発現との関連性について十分に明らかにすることはできなかったが、使用する薬物と副作用の種類によって血中薬物濃度の更なるモニタリングが有用である可能性が示唆された。
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Report
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Research Products
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