5-フルオロウラシル(5-FU)含有レジメンにおける血清中5-FU濃度と有害事象の検討
Project/Area Number |
18H00409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奈良 克彦 東京大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2018: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 5-フルオロウラシル / パクリタキセル / 好中球減少症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、5-フルオロウラシル(5-FU)を含むレジメンを投与された患者の血清中5FU薬物を測定し、血清中濃度と骨髄抑制、口内炎、下痢などの粘膜障害等の副作用発現リスクや重症度との関連性を解析することを目的として計画された。現在までに約30症例の血清検体を収集するとともに、LC-MS/MSによる5FU測定系の検討を行った。低濃度領域の測定精度および再現性の向上に予想よりも時間を要し、現時点では実検体の測定には至っていないが、今後速やかに測定を進め、副作用発現リスクとの関連解析を進める予定である。 一方、症例抽出を進める過程において、プロトコル上は週1回パクリタキセル+ラムシルマブ療法(wPTX+Rmab)が施行可能とされる総ビリルビン値(T-Bil)1.5mg/dLを超える患者において好中球減少などの有害事象が比較的高率に発症することを見出した。そこで、2018年5月までに東京大学医学部附属病院にてwPTX十Rmabを施行された患者をT-Bil 1.5mg/dL以下と1.5mg/dLより高値の2群に分け、wPTX+Rmab療法の安全性および有効性について評価を進めた。評価対象患者は63名(T-Bil≦1.5が58名、T-Bil>1.5が5名)であった。安全性について検討を行ったところ、T-Bil>1.5の群において有意に好中球数減少症Grade4、発熱性好中球数減少症の発症率が高値であり、多変量解析においてT-Bil>1.5は好中球数減少症Grade4の唯一の発症要因であることが示された。一方で、OSでは有意にT-Bil>1.5の群で不良であった(OS、12.1ヶ月 v. s 4.4ヶ月、P=0.04)。本研究結果から、wPTX+Rmabレジメンを実施する場合、投与開始基準には抵触しないものの、T-Bilが1.5mg/dLを超える患者では重篤な副作用を回避するために初回用量を減量するような対策が必要と考えられた。今後、さらに検討を重ねていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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