Project/Area Number |
18H00410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
宮本 奈穂美 弘前大学, 大学院医学研究科, 技能補佐員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | ATP5J / ミトコンドリア / 心肥大 |
Outline of Annual Research Achievements |
Sham群とTAC群において、心不全の指標であるBNP・心肥大と心線維化に関連するα-MHCとβ-MHC、線維化の指標としてCollagen 1α1・Collagen 3α1を調べた結果、WTとATP5J-Hetに顕著な差が表れ、心肥大及び心不全に関与する指標及び情報伝達経路にATP5Jノックアウト効果が確認された。合わせて、定常状態におけるWTとATP5J-Hetの心体重比・心臓組織中のミトコンドリア機能・活性酸素種(ROS)について比較検討した結果、ATP5Jノックアウト効果が同様に示された。 心線維芽細胞に対し嫌気培養(non O_2)及び過酸化水素水(H_2O_2)による直接細胞接触法を用いて刺激実験を行った。ミトコンドリア形態制御に機能するGTPase因子(Opa-1・Mnf1・Mnf2・Drp1)は、刺激を受けることで機能低下することが解った。ミトコンドリア転写因子であるTFAMにおいては、培養液中の酸素量によって機能が左右されることが明らかとなった。BNP・Collagen 1α1・Collagen 3α1においては、H_2O_2の値が最も高くなり、ShamとTACに伴う挙動とかなり近い傾向を示した。 本研究の結果、ATP5Jノックアウトすることで、ATP合成機能を活発に活動させ過剰なH^+勾配環境を作り多量のROSを発生させていること、また、酸化ストレス刺激を減少させる能力が低いことが明らかとなった。つまり、ATP合成に直接的に関与しないATP5Jではあるが、F1→F0のH^+移動量を調節する役割があると推察される。また、ミトコンドリアに存在するマンガンを活性中心に持つSOD四量体の局在に影響を与えていると考察される。加えて、心負荷により誘発される心疾患は、血中酸素欠乏状態ではなく、血中に発生した高濃度ROSによって引き起こされる可能性も明らかとなった。
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