乳がん術前又は術後補助化学療法施行時のステロイド前投薬の骨代謝系への影響の検討
Project/Area Number |
18H00417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
志村 裕介 金沢大学, 薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2018: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | ステロイド前投薬 / 骨代謝系 / 乳がん術後補助化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 : 化学療法の副作用である悪心や浮腫などの予防・治療薬としてステロイドの前投薬は必要不可欠なものである。しかし、ステロイドによる副作用の一つに骨粗鬆症があり、持続的なステロイド投与は骨量の減少を引き起こし、骨折リスクを高めるとされている。乳がん患者において、術後補助化学療法の前後で骨密度が有意に低下するという報告はあるが、乳がん患者を対象としたステロイド前投薬が骨代謝系におよぼす影響を評価した報告はない。そこで、骨粗鬆症のリスクが高いと考えられる乳がん患者における、術後補助化学療法施行時のステロイド前投薬が骨代謝系へ与える影響を検討することを目的として研究を行った。 ○研究方法 : 2009年~2018年に当院で乳がんに対して術後補助化学療法としてドセタキセル+シクロホスファミド(TC)療法が4クール投与された患者を対象として、患者背景や骨代謝系マーカーとして血清Ca値、P値、Alb値、ALP値などを後方視的に調査した。抽出されたデータについて単変量および多変量解析を行い、TC療法前後の骨代謝系マーカーの変動と関連のある因子を検討した。本研究は、金沢大学医学倫理審査委員会の承認を得て実施した。 ○研究成果 : 対象患者118名のデータを解析した。血清P値、Alb値、ALP値はTC療法の前後で有意に変動した。これらの項目に関して、TC療法前後における変動の有無で分類し、その2群間で患者背景やステロイド前投薬量などの各因子を比較した。その結果、血清P値の変動に関わる因子として、年齢や糖尿病の有無が抽出され、血清Alb値の変動に関わる因子として、年齢が抽出された。なお、血清ALP値はTC療法前後で変動したが、臨床的意義のある差ではなかったため、因子探索は行わなかった。本研究の患者集団では、ステロイド前投薬量が骨代謝系マーカーに及ぼす影響は軽微であった。今後は、より特異性の高い骨形成・骨吸収マーカーや骨密度での検討が必要と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)