Project/Area Number |
18H00422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
本永 正矩 広島大学, 病院薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥410,000 (Direct Cost: ¥410,000)
Fiscal Year 2018: ¥410,000 (Direct Cost: ¥410,000)
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Keywords | 医療経済 / 抗がん剤注射投与量 / dose banding |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】英国保険制度で推奨されているDose bandingは、体表面積や体重から算出した患者個々の投与量を設定範囲内(製剤規格量±5%等)であれば一律化した投与量(製剤規格量等)に集約することで、限られた医療資源を有効活用する手法である。現在、日本の抗がん剤の残液廃棄分に相当する年間金額が数百億円にのぼると試算されており、抗がん剤残液とその有効活用は喫緊の課題である。Dose bandingに関する本邦での研究報告は見受けられないため、Dose bandingの有用性を示すことを目的に、導入した場合の抗がん剤残液廃棄分に相当するコストの節減効果について調査した。 【研究方法】広島大学病院の外来化学療法で汎用されているベバシズマブ(Bv)、セツキシマブ(Cmab)、ニボルマブ(Nmab)、オキサリプラチン(1-OHP)、パクリタキセルアルブミン懸濁型(nab-PTX)の2017年4月から2018年3月の使用量を抽出し、Dose banding導入前後の廃棄件数、コスト節減率および節減金額を算出した。Dose bandingの定義は、殺細胞性抗がん剤と抗体製剤をそれぞれ製剤規格量±5%、製剤規格量±10%の範囲内の使用量を製剤規格量に集約することとした。 【研究成果】Dose banding(前/後)の廃棄件数は、それぞれBv(967/0)、Cmab(329/114)、Nmab(781/0)、1-OHP(440/298)、nab-PTX(694/694)だった。BvとNmabは100%節減でき、全薬剤の合計節減金額は約2093万円だった。本研究によりDose banding導入した場合の経済的有用性が明らかとなった。しかし、Dose bandingによる効果や安全性に関するエビデンスが少ないため、今後実臨床でDose bandingを導入し効果や安全性を評価していく必要があると考える。
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