Project/Area Number |
18H00426
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
長内 理大 千葉大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | ボリコナゾール / 幻覚 / 血中濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 ボリコナゾールは抗真菌薬として、難治性肺アスペルギルス症をはじめとする重要真菌症に対する効果的薬剤として広く使用されている一方、副作用が強く、安全有効血中濃度域も狭いため血中濃度モニタリング(TDM)が推奨されている。本研究では近年問題になっているボリコナゾールによる幻覚・幻視の副作用についてボリコナゾールの血中濃度と幻覚の発症が相関するかを検証することを目的とした。 ○研究方法 ① 効率の良い血中濃度測定法の開発 ボリコナゾールの血中濃度測定はHPLCを用い逆相クロマトグラフィーにより行うがサンプル処理開始から血中濃度決定まで5-6時間を要しているため、サンプル処理やHPLCの条件検討を行った。 ② ボリコナゾール使用患者の後方視的研究 千葉大学医学部附属病院におけるボリコナゾール使用患者の血中濃度ならびに副作用情報をもとに血中濃度と幻覚の発症頻度の関係について検討した。 ○研究成果 ① 効率の良い血中濃度測定法の開発 サンプルの抽出条件、回収法、HPLCの溶媒等検討を行ったがいずれも、時間短縮とともに血中濃度測定の精度は低下した。今後、さらに逆相クロマトグラフィーのカラムなど抜本的な改良が必要と考えられる。 ② ボリコナゾール使用患者の後方視的研究 ボリコナゾールの血中濃度と副作用の発症について患者46名の記録をもとに解析したところ、幻覚を発症した患者は7名(15.2%)おり、幻覚を発症しない患者と比べ、ボリコナゾール血中濃度は有意に高かったが血中濃度が高い患者でも長く服用している患者では、幻覚は発症していないことが明らかになった。このことより、治療初期は血中濃度を低くすることで幻覚発症は抑えられると考えられる。
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