Project/Area Number |
18H00441
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3180:Clinical pharmacy-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
逢坂 大樹 岡山大学, 医学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | プレコンディショニング / フォンタン / Hcat shock protein |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性心疾患の約150人に1人は単心室症のためフォンタン手術適応となるが、低酸素血症の解除・容量負荷軽減のメリットがある一方、静脈圧上昇・心拍出量低下が不可避であり、遠隔期にうっ血に伴う肝障害などの合併症が問題となる。我々はこれまで、単心室症に対する自己心臓内幹細胞移植の有効性を報告してきたが、組み合わせ可能な新規戦略として、術前の軽度うっ血負荷(プレコンディショニング)による臓器障害軽減効果を検討した(平成30年度奨励研究)。結果的に、ラットでの下大静脈絞扼術によるフォンタン循環疑似モデルにおいて、プレコンディショニングによる臓器mRNAレベルの変化は確認できたが、生存率の向上および術後2週間という亜急性期での有意な臓器保護効果は確認できなかった。しかし本研究を通して、下半身うっ血モデルにおける心臓および肺でのHeat shock protein(HSP)増加が明らかとなり、何らかの負荷および炎症が示唆された。これまで、フォンタン循環を含む下半身うっ血では、少なくとも亜急性期において、心・肺への直接的な影響はほとんど報告されておらず、治療戦略としても考慮されていない。原因として、我々は微小塞栓もしくは下半身うっ血臓器からのcirculating factorが影響しているのではないかと推察している。 これらの結果を踏まえて、今後はプレコンディショニング条件設定、急性期や慢性期に分けた効果判定、心肺への影響解析などの検討を継続していきたい。なお、本研究は研究インターンシップの医学科3年生3名の教育・指導を含めて取り組み、手術成功率およびモデルの安定性も良好であったことから、心臓血管外科ならではの教育的実験系としても継続させていく予定である。
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