Project/Area Number |
18H00449
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3190:Biomedical structure and function, pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
内堀 隆亮 信州大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 可溶性IL-11受容体 / IL-11トランス経路 / ELISA |
Outline of Annual Research Achievements |
サイトカインの一種であるインターロイキンー6(IL-6)はクラシックシグナリングとトランスシグナリングの2種類の刺激信号の伝達方式を持つ。前者は細胞膜上のIL-6受容体にIL-6が結合することで、IL-6受容体と会合しているgp130と呼ばれる糖タンパクを介して細胞内にシグナルが伝わる経路である。後者は細胞膜上のIL-6受容体が切断され、可溶性IL-6受容体(sIL-6R)として細胞膜から遊離、IL-6と結合しIL-6/sIL-6R複合体を形成し、細胞膜上にあるgp130と呼ばれる糖タンパクと結合することでIL-6受容体を持っていない細胞に対してもIL-6の刺激を伝える刺激伝達方式である。IL-6トランスシグナリングが一部の炎症性疾患や線維症の発症や進行に関与しているという報告が挙がっている。 一方でIL-6と同じIL-6ファミリーに属するインターロイキン-11(IL-11)もIL-6と同じく可溶性IL-11受容体(sIL-11R)とIL-11の複合体による刺激伝達方式、IL-11トランスシグナリングを有することが明らかになっている。IL-11トランスシグナリングについては不明な点が多く、sIL-11Rを定量的に測定するためのEnzyme-Linked ImmunoSorbent Assay(ELISA)キットも販売されていない。今後のIL-11トランスシグナリングについて研究を行うにはsIL-11RのELISA確立が必要だと考え今回のテーマとした。 タンパクを定量測定するサンドイッチELISAには2種類の抗体を用いる必要な組み合わせを探すため、4種類の抗ヒトIL-11R抗体と抗原としてリコンビナントsIL-11Rを用いて最適な2種類の抗体の組み合わせと抗体濃度を調べた。その後、リコンビナントsIL-11Rの希釈系列を確立したELISA系で測定し、最大および最小測定可能濃度を確認した。 In vitroの実験においてIL-11トランスシグナリングがヒト肺線維芽細胞由来培養細胞の線維化促進分子gremlinの遺伝子発現を増加することを確認している。今後は今回確立したELISA系を用いて線維症あるいは炎症性疾患などの患者の血中sIL-11R量を測定し、疾患ごとのsIL-11R量の傾向を調べることでIL-11トランスシグナリングと疾患の関係性を明らかにしていくつもりである。
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