Project/Area Number |
18H00450
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3190:Biomedical structure and function, pathology, infection/immunology, and related fields
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
衣川 康弘 信州大学, 医学部附属病院, 技術職員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥490,000 (Direct Cost: ¥490,000)
Fiscal Year 2018: ¥490,000 (Direct Cost: ¥490,000)
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Keywords | SKI / メチル化 / AIP |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究は原因不明の自己免疫性疾患である自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis ; AIP)においてSKIというがん遺伝子との関連性を解析した。我々は以前AIPのメチル化アレイ解析によって、SKIに脱メチル化が生じていることを見いだした。これらの結果から我々はSKI遺伝子に注目し、さらに症例数を増やし特異的PCR(Methylation-specific PCR : MSP)を行うことで、より信頼性のあるデータ収集を行い、さらに免疫組織化学染色による発現部位の解析や半定量的解析も行った。 今回用いた症例はAIPの炎症部、膵臓癌の閉塞性膵炎部、正常膵、各14症例である。方法はホルマリン固定パラフィン包埋切片からDNAをマイクロダイセクションで抽出し、その後抽出されたDNAにbisulfite処理をした後、定量Methylation Specific PCR(MSP)を行いその結果をもとに相対定量法を用いてメチル化率を算出することでメチル化頻度を評価した。さらに免疫組織化学染色を用いて染色性の強弱を示す指標と一視野当たりの陽性細胞の割合を示す指標の和によって構成されるstaining-index(SI)により半定量的な染色性の評価を行った。結果はSKIの自己免疫性膵炎におけるメチル化は閉塞性膵炎や正常膵と比べ有意に低メチル化状態であることが明らかとなった。さらに免疫染色では陽性像は認められなかった正常膵に対し自己免疫性膵炎や膵がん背景の閉塞性膵炎では膵腺房細胞の細胞質に染色像が確認されたことでSIが有意に高いことが判明した。 以上の結果より、AIPではSKIは低メチル化状態であり、SKIの機能は抑制されずoncogeneとして機能し、発癌に関与する可能性が示唆された。 今後の検討として膵腺房細胞由来の培養細胞を用いてSKIの細胞質における機能解析を行う。
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