Project/Area Number |
18H00485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3210:General internal medicine, organ-based internal medicine, internal medicine of the bio-information integration, and related fields
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石黒 旭代 山口大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 溶血インデックス / 溶血検体作成方法 / 自動分析装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
生化学検査値が偽高値又は偽低値を示すような影響を与える因子は様々あるが、最も頻度が高い因子は溶血である。近年、溶血検体の溶血度合の確認は、自動分析装置により特定波長の吸光度から溶血インデックス値(Hemolysis Index : HI)として算出でき、客観的に溶血度合が評価可能となった。しかしながらHIを用いた再採血基準のエビデンスが全くないのが現状であった。そこで本研究では、溶血検体のHIと生化学検査値の変動から再採血基準のエビデンスを確立し、診療支援に貢献する情報を提供することを目的とした。 人工的な溶血検体を作る方法として従来では凍結融解を繰り返す方法や浸透圧差や界面活性剤を利用する方法があったが、どれも溶血度合を細かく割り振れる手技ではなかった。そこで破砕時間を自由に設定できる細胞破砕装置(Tissue Lyser II(QIAGEN))を用いることにより、新しい人工的溶血検体作製法を確立した。生化学データの測定機器には、日本で広く利用されているJCA-BM6070(日本電子(株))を用いた。作製した人工的溶血検体において、HI 1単位あたりHb 14.8mg/dL上昇することを確認した。同一個体における非溶血検体と溶血検体の測定値の違いから、溶血度合による検査値の変動率を算出すると、HI 1単位あたりのK、LD、およびASTの変動率はそれぞれ0.047mmol/L、14.42U/L、0.87U/Lであった。また、患者約13万人の臨床検査データの結果から、HIとK、LD、およびASTとの関係を算出すると、人工的溶血検体と患者の臨床検査データで同等の結果が得られており、本研究結果の妥当性を確認できた。本研究により、我々が設定したHI測定の有用性と信頼性が確認でき、この結果を基にHIによる再採血基準設定を行う予定である。
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