Project/Area Number |
18H00505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3240:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | 京都府警察本部刑事部 科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
赤田 直輝 科学捜査研究所, 法医科, 主任研究員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 生体試料の可視化 / 抗原抗体反応 / DNA型鑑定 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】警察におけるDNA型鑑定は、犯罪現場に残された血液や唾液、精液等の生体試料からDNA型を検出することで、犯人の特定や犯行立証に重要な役割を果たしている。しかし、全てのDNA型鑑定が効果的に活用されているとはいえない。その例として、現行のDNA型鑑定法では複数の人物のDNAが混合している場合には、それぞれの人物のDNA型を知ることが難しい場合があることが挙げられる。実際の犯罪現場には、犯人の生体試料と共に被害者や第三者の生体試料が存在する。犯人のDNA型を知るためには、犯人に由来する生体試料のみを採取することが重要である。しかし、血液のような有色の生体試料は、付着位置はわかるものの、肉眼のみで由来する人物を判別するのは不可能である。唾液等のほぼ無色の生体試料については、そもそも視認できない。そのため、犯人と犯人以外のDNA型が混合して検出され、犯人のDNA型を知ることができなくなる。 【研究成果】本研究では、抗原抗体反応を利用した生体試料の付着位置の可視化を試みた。具体的には、血液型を指標にした由来の異なる同じ生体試料の付着位置の可視化を行った。試料には、模擬血液として血液型既知のA型及びB型血球浮遊液を用いた。これら模擬血液を1枚のPVDF膜に付着させて、ブロッキング後、一次抗体としてマウス由来抗Aまたは抗B抗体を反応させた。その後、二次抗体として蛍光標識ロバ由来抗マウス抗体を反応させ、蛍光顕微鏡で観察した。その結果、2種類の模擬血液が付着したPVDF膜上で、A型またはB型の模擬血液のみの可視化に成功した。 【研究成果の意義】この結果により、複数人の血液が付着する物体について、血液型に応じた血液の付着位置の同定が可能となり、的確な採取につながるため、DNA型鑑定をより効果的に行うことができると期待される。また、血液以外の生体試料にも血液型を表す物質は含まれるため、原理上様々な生体試料に応用することができると考えられる。
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