造血幹細胞移植患者の無菌室内における身体活動量と筋有酸素能との関連性
Project/Area Number |
18H00508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
3240:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
若杉 樹史 兵庫医科大学, 病院リハビリテーション部, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 造血幹細胞移植 / 身体活動量 / 近赤外線分光法 |
Outline of Annual Research Achievements |
身体活動量を維持するためには, 血液が骨格筋へ酸素を持続的に供給し続ける必要がある. 造血幹細胞移植後患者は赤血球が減少しているために骨格筋への酸素供給が不十分となり体力低下を呈している. 本研究では, 造血幹細胞移植後の生着までの身体活動量と骨格筋酸素消費能力との関連性を検討することを目的とした. 造血幹細胞移植治療のために無菌室内での身体活動量の制限が強いられる患者にとって, 身体活動が骨格筋の酸素代謝に与える影響を明らかにすることは, 新たな身体機能のパラメータの発見につながり, 患者にとっても大変意義深いものとなる. 本研究では, 造血細胞移植予定の18歳以上の患者を対象に, 造血幹細胞移植後の生着時点までの身体活動量を調査し, 同時に, 近赤外線分光法を用いて筋酸素消費量を測定して検討した. 方法は, 身体活動量計を用いて移植前処置から生着(移植後約3週間)までの無菌室内の身体活動量を測定する. 身体活動量の測定の開始前後に近赤外線分光法にて前脛骨筋の筋酸素代謝の測定を実施した. 症例1の身体活動量は30日間で38433歩(1日辺り1281歩)であった. 症例2の身体活動量は31日間で35325歩(1日辺り1139歩)であった. 筋酸素消費の指標である(ΔHHb : 脱酸素化ヘモグロビンの最大値)は症例1では移植前後で(2.25→4.74)と増加し, 骨格筋血流量の指標である(ΔtHb : 総ヘモグロビン値)も(0.85→1.29)と増加していた. 一方で, 症例2の移植前後のΔHHbは(2.66→1.88)と低下していたが, ΔtHbは(0.03→0.4)と増加していた. 結果として, 症例1は症例2と比較して, 身体活動量が多く筋酸素消費能力が高かった. しかしながら, 今回の検討では, 症例数が少ないこともあり身体活動量が筋酸素消費能力の維持に関与したか否かを明らかにすることができなかった. 今後は症例数を増加させて検討していく必要があると考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)