Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 : 定年を迎えた友人が健康維持のために自ら育てた大豆で豆腐を作りたいという相談話から農業を支援するための装置を安価に作ることができないかと考えた。それにより第二の人生を楽しく健康で過ごすことができれば, 医療費の削減にも繋がると考えた。 ○研究方法 : トラクターなど農業機械の援助がほとんど見込めない畑を借りて, 大豆の作付けをすることは, 結構大変であり, 水稲(米)のように等間隔で規則的に植えるので, その周囲で伸びてくる雑草を除去するためのお助け機械があれば農業も楽になると考え, お助け機械を試作した。このお助け機械のスピードは, シニア世代が操作運転するのでシニアカーの速さで設計した。 また, 雑草を掻き取るため, 先端部に固いブラシを上から見て逆ハの字になるよう取り付けた。さらに後方にも同じくブラシを付け, 雑草を中央に寄せられるよう設計した。 試作機は, 前述した方式で雑草を除去するため, 乗用車のように左右を繋ぐ軸があっては大豆が駄目になってしまう。そこで, それぞれの車輪を独立して連動させるため, 後輪にスプロケットを取り付け, それぞれをフレーム上に取り付けた動力軸のスプロケットとチェーンで繋ぎ, モーターからの回転を伝え車輪を動かすことができるよう設計した。以下に, 試作したお助け機械の仕様を記す。 電源 : DC24Vバッテリー 駆動方式 : DCモーターから減速機を通して後輪チェーン駆動 雑草除去 : ブラシによる掻き取り方式 時速 : 240m/h 重量 : 85Kg 車高 : 床下40cm 定員 : 1名 試作機は, コスト削減のため, 車輪には一輪車のタイヤを使用し, 左右のタイヤで大豆の列を挟み進むよう設計した。通常の車のように前後輪共にセンターデフを使えない。草を削るというより, 引っ掻くイメージを頭に浮かべていただきたい。大豆が植えられた列を車高の高い四輪シニアカーで走りながら, 発芽した頃の雑草を前後に取り付けたブラシで掻き, 中央に寄せながら前進する。 ○研究成果 : 改良すべき点が多少あるものの, シニア自らが乗り, 操縦しながら雑草の掻き寄せが, できる試作機が完成した。今後, 実用機とするために, 電源容量のアップとソーラーパネルを組み込んだ蓄電システムの採用が必要になると考える。
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