視覚障がい者のタッチパネル操作支援に向けた触運動感覚の活用に関する基礎的検討
Project/Area Number |
18H00546
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
4110:Information science, computer engineering, human informaticsand, applied informatics related fields
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊池 裕人 東北大学, 工学研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2018
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2018)
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Budget Amount *help |
¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
Fiscal Year 2018: ¥530,000 (Direct Cost: ¥530,000)
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Keywords | 触運動感覚 / 視覚障がい者支援 / タッチパネル・ユーザインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚障がい者にとってタッチパネル型入力機器は操作が難しい機器の一つとされる. この問題に対し本報告者は, Millarらの参照手がかりに関する報告(Millar S, 2004)を参考とし, 基準位置からの相対的な位置関係を活用して入力操作を実現する視覚障がい者向けタッチパネル・ユーザインタフェースの開発に取り組んでいる. 本研究はこの実現に向け, 「位置情報の取得とそれに基づく再現を触運動感覚(Haptic kinesthesia ; 前腕の能動的な動き)でいかに高精度に実現できるか」の調査を目的として行った. 本研究では目隠しをした晴眼者に対し, 手探り(触運動感覚)にて, 3×3のマトリックス状(70mm間隔)に配置された課題マーク位置を記憶し, 実験フレーム上に用意された8個のマグネットを移動させて中心位置を除く8箇所の課題マーク位置の再現を課す位置再現実験を行った. 課題マーク位置と再現結果位置のずれをx軸およびy軸方向別に計測・集計して平均再現マーク位置を求めた. 平均すると課題マーク位置の近傍付近に再現される結果となったが, 実際は実験参加者間の再現結果のばらつきは大きかった. 特にx軸方向でばらつきの大きさが顕著であった. また, 平均再現マーク位置間の距離を求めるとy軸方向で10%強程度の過小評価傾向が確認され, 全8箇所の平均再現マーク位置を結ぶと横長の長方形形状となる再現傾向が見られた. これまでに, 今回の実験デザインに「中心位置マーク(基準位置)を出発点として再現する」という条件を加えて実施している. 平均再現マーク位置を結ぶと横長の楕円形状の再現傾向が見られ(奨励研究・課題番号21921007), 四隅位置マークがy軸に加えてx軸方向(中心位置方向)へのゆがみをも有していた点が今回の結果と異なる. この点は中心位置マークを基準位置とした実験方法の影響を受けていた可能性が示唆される. なお, 再現結果のばらつきは, x軸, y軸共に基準位置を設置した過去の実験結果のほうが小さかった. 以上から, 非視覚環境下での高精度な位置再現においては基準情報の必要性が浮き彫りとなった. 当初の計画目標達成のため, 視覚障がい者の方々にも実験参加者としてご協力いただき, 今後さらに本研究を継続する予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
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