Outline of Annual Research Achievements |
1、研究目的 長期的な目的は, 神経難病者間で自立して離れた場所の人ともコミュニケーションを取ることができる感性伝達人工物を実現することにある. これまでに開発してきた感性表現人工物は視線入力により人の上半身の動きを表現して感情等を伝えるロボットであり, 外装にぬいぐるみを使用して癒しの効果も期待できるが, 設置場所の空間においては操作している神経難病患者の存在を強く感じることができなかった. そこで本研究では神経難病患者の様々な表情顔画像を感性表現人工物頭部の顔型造形物にプロジェクションマッピングをして, モーション動作による表現と合わせて感情や意思をわかりやすく伝えてコミュニケーションを取ることが可能な, 新たな投影型感性伝達人工物を開発することを目的とした. 2、研究方法・成果 投影型感性伝達人工物の頭部には操作する人の顔型造形物を使用するため, 3Dスキャナと3Dプリンタを用いて顔型造形物を作成した. これまでの感性表現人工物ではモーション動作で頭部も動かしていたが, 投影型ではプロジェクションマッピングを行うために頭部は固定して, 頭部以外の動きと投影する顔画像の表情や色を変更することで感情や意思を伝える設計として開発をした. 操作は神経難病者が比較的残存して動かせる眼球運動を用いて行うものとして, 接続したコンピュータディスプレイ上の視線位置計測が可能なアイトラッカーと, 視線追跡機能を内蔵する開発者向けVRヘッドマウントディスプレイを用いた視線入力システムの構築を行った. 今後は, 実際に神経難病者が使用した際の意見等を聞いて修正や発展をする必要があると考えている.
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