Study on Quantum Mechanical Limit of Operating Speed in Single-Flux-Quantum Circuits
Project/Area Number |
18H01498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 雅光 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10377864)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2020: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2018: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
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Keywords | 単一磁束量子回路 / 量子ゆらぎ / ビット誤り率 / 超伝導デバイス / 窒化ニオブ接合 / 超伝導トンネル接合 / 微小ジョセフソン接合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高速性と低エネルギー性を両立する超伝導単一磁束量子回路(SFQ回路)により、量子力学的不確定性(ΔE Δt ~ h)に迫る領域、即ち低エネルギー動作と高速動作が両立できる条件での論理回路を追究することを目的としている。 2020年度は、単一磁束量子回路のより高度な高周波設計の追求を進めた。ここでは、臨界電流値やバイアス電圧を下げるなどして低エネルギー化した場合における、単一磁束量子論理ゲートのタイミングパラメータ(遅延やセットアップ時間/ホールド時間などのタイミング制約)のゆらぎを数値解析で解析し、動作速度やビット誤り率とのトレードオフという形で整理を行った。この結果は、デバイスのスイッチ速度の低下が必ずしも回路の動作周波数の低下に直結しないことを示唆しており、実際に駆動電圧を従来の1/5に下げた乗算器を52GHzで動作させられることを実験的に示した。この駆動電圧では、これまで30GHz程度が動作周波数の上限と考えていたが、精密なタイミング設計を施すことにより、より高いエネルギー効率を達成することが新たに分かった。また、単一磁束量子回路を構成するジョセフソン接合には、スイッチ動作を安定化させるため、シャント抵抗と呼ばれる外部抵抗を接続する。このシャント抵抗を部分的に取り除くことによっても高速化が見込めることが分かり、動作速度と安定度(ビット誤り率)とのトレードオフの解析などを進めた。これらの実験的評価は、大規模集積回路技術が十分に確立している、ニオブ集積回路技術を用いた。 ニオブ接合より高速動作が期待できる、窒化ニオブ接合については、デバイス作製と評価を進めるとともに、デバイスパラメータについては他機関の協力も得て、高速動作性に関する検討を数値計算を中心に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては、高速性と低エネルギー性の両面の追究が鍵である。確立しているニオブ接合を用い、単一磁束量子回路の高速性と低エネルギー化について数値解析と実験により検討を進めているが、低エネルギー化を進めた大規模回路においても、高周波での動作実証に成功するなど、両者のトレードオフの制御技術は確実に進展していると言える。今年度は特に、タイミング設計が格段に難しくなる低バイアス電圧で駆動する単一磁束量子回路においても、従来回路と遜色のない50GHz超の動作をさせることができ、高いエネルギー効率を達成することができた点は大きな進展があったと言える。 数値計算では、シャント抵抗の最適化など新たな知見を得ているが、論理ゲートのタイミングパラメータに関する基礎的な実験を進めている。数値解析と実験結果が必ずしも一致しない問題については、外部からの雑音の影響を疑っており、対策を行って系統的な実験を継続する必要がある。 これまでの実験的検討は、大規模回路の構築に実績のあるニオブ接合を用いて行ってきたが、単一磁束量子回路をより高速に動作させることについては、窒化ニオブ接合による置き換えを目指して研究を進めている。ここでは、デバイスモデルの精度の向上や、動作速度に影響を与える種々の観点での評価が重要となる。これらについては、引き続き次年度も取り組む予定としている。 以上から、本研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
高速性と低消費電力性の両面を追求して設計した、単一磁束量子回路において、タイミング揺らぎやビット誤り率を精密に計測することにより、論理回路における量子力学的揺らぎの効果を明らかにすることを目指す。 これまでに臨界電流値やバイアス電圧を下げるなどして低エネルギー化した単一磁束量子回路における、動作速度と消費エネルギー、ビット誤り率に関するトレードオフなどを数値解析を用いて明らかにしている。今後は実験的評価を進める必要がある。ニオブ集積回路技術を用い、シフトレジスタのオンチップ高周波テスト、タイミング揺らぎの実験的評価を進め、検討を進めてきた回路パラメータ最適化の効果を検証する。 また、デバイス作製の面では、窒化ニオブを用いたジョセフソン接合及び回路作製に関する研究を進める。特に、単一磁束量子回路における高速動作性に関する検討を精緻化することを目指し、デバイスのスイッチ時間だけでなく、タイミング揺らぎや信号間の干渉など様々な観点から動作速度への影響に関する評価を進める。 極低温高周波計測については、引き続き、低エネルギー化した小規模回路の評価を進める。低エネルギー化を追求した単一磁束量子回路が、室温測定器など外部からの雑音の影響を受けて正常に動作しない問題が明らかになったため、磁気シールドやフィルタ等による雑音対策強化を進め、4Kから0.3K程度までの温度範囲において、単一磁束量子回路の振る舞いを調べる。
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Report
(3 results)
Research Products
(46 results)
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[Presentation] Development of 50-GHz, high-throughput rapid single-flux-quantum circuits toward ultra-fast, energy-efficient computing2020
Author(s)
M. Tanaka, I. Nagaoka, K. Sano, T. Yamashita, K. Ishida, T. Ono, K. Inoue, and A. Fujimaki
Organizer
10th Asian Conference on Applied Superconductivity and Cryogenics (ACASC), 2nd International Cryogenic Materials Conference in Asia (Asian-ICMC), and CSSJ Joint Conference
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Int'l Joint Research / Invited
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