Project/Area Number |
18H03587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 3:History, archaeology, museology, and related fields
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
周藤 芳幸 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70252202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 弥平 名古屋大学, 人文学研究科, 名誉教授 (00192542)
長田 年弘 筑波大学, 芸術系, 教授 (10294472)
師尾 晶子 千葉商科大学, 商経学部, 教授 (10296329)
高橋 亮介 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (10708647)
田澤 恵子 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (30598587)
佐藤 昇 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (50548667)
大林 京子 (山花京子) 東海大学, 文化社会学部, 准教授 (50594157)
田中 創 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50647906)
藤井 崇 京都大学, 文学研究科, 准教授 (50708683)
安川 晴基 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (60581139)
芳賀 京子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80421840)
中野 智章 中部大学, 国際関係学部, 教授 (90469627)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥43,810,000 (Direct Cost: ¥33,700,000、Indirect Cost: ¥10,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,180,000 (Direct Cost: ¥8,600,000、Indirect Cost: ¥2,580,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2019: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
Fiscal Year 2018: ¥10,400,000 (Direct Cost: ¥8,000,000、Indirect Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 地中海 / 知の動態 / 文化的記憶 / 文字 / 図像 / 口承 |
Outline of Annual Research Achievements |
古代地中海世界では、紀元前8世紀から紀元後5世紀にかけて卓越した文明が繁栄し、そこで達成された知的成果は、人類共通の文化遺産として、今日なお普遍的な価値を保ち続けている。本研究は、そのような文明世界が成立し、通時的・地域的な変容を伴いながらも長期にわたって独自の創造性を発揮することができたのはなぜだったのか、という根本的な問いに対して、個人や集団のアイデンティティに関わる「文化的記憶」こそがこの問題を検討するためのもっとも重要な鍵概念となるのではないかという見通しのもと、さまざまな「文化的記憶」を創出・強化した知の動態を国際的なアカデミアと連携しながら解明することを目的としている。当該年度においては、コロナ禍の余波のもとで本研究の基盤となる現地調査こそ実施できなかったものの、初年度に実施した第4回日欧古代地中海世界コロキアムに参加した欧米の研究者と密接な連絡をとりながら、国際共著による論文集 Transmission and Organization of Knowledge in the Ancient Mediterranean World, Phoibos Verlag: Wien 2021を刊行することができた。本論文集には、本研究の研究代表者と研究分担者6名を含む日本人研究者7名と、古代ギリシア史・ローマ史研究の最前線で国際的に活躍している欧米の研究者11名が寄稿しており、そこでは「文化的記憶」を客体化するメディアとしての文字、数字、碑文、文書、歴史叙述、音声、彫像などをめぐる議論を核として、それらの媒体が発現するモードや空間的なコンテクストが多角的に考察されている。また、日本語でも本研究の研究分担者をおもな執筆者とする論文集として、周藤芳幸編『古代地中海世界と文化的記憶』山川出版社2022年を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、古代地中海世界における知の動態を探るためのオリジナルな史資料の探求(ギリシアやエジプトなどの環地中海世界における現地調査)と、これに対する考察から導かれた新知見の国際学界への提示とを二本の柱としている。しかし、コロナ禍の余波のなかで、当該年度においては前者の活動の実施が大きく阻害され、これまでに得られていたデータから得られた知見を公刊するにとどまったため、「やや遅れている」と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の影響による遅れを取り戻すために、これまで中断していた環地中海世界における現地調査を再開し、新たな知見の獲得に努める。また、研究をさらに幅広く展開するために、国際学界に向けた英語による研究発信に加えて、2023年5月に開催される日本西洋史学会第73回大会において、「移動するエージェンシー ー古代オリエント・地中海世界における諸相ー」と題する小シンポジウムを開催する。また、2024年3月には、アテネで第5回日欧古代地中海世界コロキアムを開催する。
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