Budget Amount *help |
¥43,680,000 (Direct Cost: ¥33,600,000、Indirect Cost: ¥10,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
Fiscal Year 2020: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
Fiscal Year 2019: ¥13,260,000 (Direct Cost: ¥10,200,000、Indirect Cost: ¥3,060,000)
Fiscal Year 2018: ¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
2020年度はまず、典型的な2D v-DW強磁性体であると議論されているVSe2のX線磁気円二色性(XMCD)測定を行った。その結果この系で6K、10Tにおいて優位なXMCDの信号を観測することに世界で初めて成功した。しかし磁場をゼロにすると残留磁化は残らず、単層VSe2が6Kでも常磁性的であることが実証できた。しかし詳細な定量的解析を行うことで、この系では長距離磁気秩序は存在しないものの、短距離秩序は残っており強磁性状態に近いことが分かった。 さらに我々が世界に先駆けて開発したトポロジカル絶縁体内部に磁性元素Mnが単原子層埋め込まれているMnBi2Se4に関して引き続き研究を行った。特にこれまではMn層が単一で存在するMnBi2Se4/Bi2Se3ヘテロ構造に注目していたが、Mn層間の磁気的相互作用を明らかにするため、MnBi2Se4/n QL Bi2Se3/MnBi2Se4/Bi2Se3サンドイッチ構造への展開を行った。角度分解光電子分光(ARPES)を用いた電子状態測定から、サンドイッチ構造では磁性元素挿入による時間反転対称性の破れに由来する表面ディラックコーンギャップ以外にnが小さい場合は表裏のディラックコーンの波動関数の混成に由来する混成ギャップも同時に生じることが分かった。さらに予備的なXMCDから、n=1,2,3のサンドイッチ構造では通常のヘテロ構造に比べてキュリー温度が上昇し、さらに保持力や残留磁化も大きいことが分かった。今後更に多くのnに対して系統的な測定を行うことで、Mn原子層間の磁気的な相互作用の詳細を明らかにしていく。
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