Project/Area Number |
18H03974
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 42:Veterinary medical science, animal science, and related fields
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Research Institution | The University of Tokyo (2019-2021) Osaka University (2018) |
Principal Investigator |
真下 知士 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80397554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉見 一人 東京大学, 医科学研究所, 講師 (50709813)
鈴木 啓一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70433654)
中田 慎一郎 大阪大学, 医学系研究科, 特命教授 (70548528)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥43,810,000 (Direct Cost: ¥33,700,000、Indirect Cost: ¥10,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
Fiscal Year 2020: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
Fiscal Year 2019: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2018: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
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Keywords | ゲノム編集 / CRISPR-Cas / 培養細胞 / 受精卵 / オフターゲット / 診断薬 / CRISPR-Cas3 / 疾患モデル / DNA修復 / CRISPR/Cas / マウス受精卵 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR-Cas9を利用することで培養細胞やモデル動物において効率的に遺伝子改変ができるようになったが、未だオフターゲット変異などの安全性や特許紛争などの課題がある。本研究では、新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を用いることで、哺乳動物培養細胞および実験動物受精卵での効率的なゲノム編集法を確立することが目的である。さらに、このゲノム編集技術CRISPR-Cas3によるDNA切断、およびDNA修復メカニズムを解明することで、ゲノム編集の効率化およびオフターゲット変異の評価等を行う。最後に、確立した新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を利用して、ヒト遺伝性疾患のex vivo治療、in vivo治療モデルを開発する。本研究により、新しいヒト疾患モデル動物の開発、および新たなゲノム編集治療における革新的基盤技術の開発を目指している。 これまでの研究成果は、論文として取りまとめて投稿している。関連する研究内容を査読付き英文論文12編、国内図書7編に取りまとめた。Cas3タンパク質を製造する方法(特願2021-31907)について、特許出願を行った。その他、招待講演として国際2回、国内7回の講演を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規ゲノム編集技術CRISPR-Cas3による哺乳動物細胞および受精卵におけるゲノム編集法の確立、およびゲノム編集動物の作製、治療モデルの開発を目的として、以下の研究を実施した。 ① CRISPR-Cas3タンパク質によるDNA切断:大腸菌CRISPR-Cas3システムからタンパク質を精製して、試験管内でのDNA切断を確認した。Cas3の特異的な二本鎖DNA切断の際に、非特異的な一本鎖DNA切断が起こることを発見し、CONANと名付けた。この新しい核酸検出技術を用いて、新型コロナなど新興感染症に対する迅速診断薬の開発を行っている。 ② ヒト培養細胞におけるゲノム編集:ヒト培養細胞において、CRISPR-Cas3によるゲノム編集を実施した。大腸菌CRISPR-Cas3システムから精製した高品質タンパク質を利用することでヒト細胞において高効率ゲノム編集に成功した。 ③ CRISPR-Cas3システムによるゲノム編集メカニズムの解明、オフターゲット評価:Cas3タンパク質による in vitroゲノム編集を実施して、CRISPR-Cas3システムによるゲノム編集メカニズムの一端を解明した。高速原子力顕微鏡AFMによるDNA二本鎖切断の可視化に成功した。 ④ CRISPR/Cas3システムによるゲノム編集モデル動物の作成:CRISPR-Cas3システムをマウス受精卵にマイクロインジェクションにより導入して、マウスTyr遺伝子ノックアウトに成功した。 以上のことから、平成30年度、令和1、2年度開始当初の研究計画に一部の変更はあったものの、おおむね順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
CRISPR-Cas3による哺乳動物細胞および受精卵におけるゲノム編集法の確立、およびゲノム編集動物の作製、治療モデルの開発を目的として、令和3年度は引き続き、以下の研究を実施する。 ① CRISPR-Cas3による核酸検出法:令和1年度に発見したCRISPR-Cas3による非特異的一本鎖DNA切断技術を用いて、新型コロナ変異型やインフレエンザなど新興感染症に対する迅速診断薬の開発を継続する。 ② ヒト細胞におけるゲノム編集: 大腸菌CRISPR-Cas3システムから精製した高品質タンパク質を利用して、さらなるヒト細胞における高効率ゲノム編集を実施し、オフターゲット解析による安全性の向上を検討する。 ③ CRISPR-Cas3システムによるゲノム編集メカニズムの解明:Cas3タンパク質によるゲノム編集、高速原子力顕微鏡AFMによるDNA二本鎖切断の可視化、DNA修復因子の同定等を行うことで、CRISPR-Cas3によるDNA二本鎖切断およびDNA修復メカニズムを解明する。 ④ CRISPR/Cas3システムによるゲノム編集モデル動物の作成:CRISPR-Cas3によるヒト疾患モデル動物の開発を実施する。CRISPR-Cas3発現マウスにおけるin vivoゲノム編集治療モデルの開発を検討する。
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