Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本年度は、「情動喚起時の視床下核活動計測」、「機能的磁気共鳴画像法(fMRI)による脳活動計測」、「視床下核への電気刺激を介した睡眠実験」を実施した。「情動喚起時の視床下核活動計測」では、顔の表情の動画を使用し、情動喚起時の視床下核活動の計測を実施した。また、電気刺激提示時の脳活動のfMRI計測を目指し、電極を脳深部に埋め込んだ患者1名の協力を得て、MRI測定を実施した。視床下核周辺の深部の脳構造は鮮明に確認することが出来たが、電気刺激装置と接続される電極のケーブルによるアーチファクトの影響で、脳皮質、特に前頭葉部分の脳構造は確認することが困難なことがわかった。そのため、視床下核周辺での解析に絞る一方、拡散テンソル画像による脳の白質繊維を基にして、電気刺激領域である視床下核からの影響を受ける脳領域を同定するトラクトグラフィ解析も実施した。昨年度から、本実験実施する前段階として、睡眠中のパーキンソン病患者に対して、視床下核への電気刺激実験の手続き、および、患者への安全性の確保を行うための予備実験を実施している。視床下核へ深部電極を留置したパーキンソン病患者に対して、睡眠実験を実施した。簡易的に睡眠状態を検出するため、体動計と脳波計による脳波計測を実施している。本年度は13名のパーキンソン病患者に対する睡眠実験を実施した。最適な刺激チャンネルの組み合わせ、刺激強度の調整法、睡眠時における電気刺激のタイミング調整を行った結果、患者の睡眠を阻害せずに心的イメージの内容の報告率が高める実験パラダイムを確立することが出来た。来年度から国内大学に採用されるため、特別研究員の資格を失うことから、本研究を廃止することになった。今後は他の研究計画の一環として、研究を継続する予定である。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。