ベートーヴェンの室内楽様式再考。同時代音楽との関連と音楽史におけるその意義
Project/Area Number |
18J00328
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Art at large
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Research Fellow |
丸山 瑶子 東京藝術大学, 音楽学部楽理科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 音楽学 / 室内楽 / ベートーヴェン / 弦楽器 / 比較研究 / 西洋芸術音楽 / 作品分析 / ピアノ三重奏曲の弦楽器書法 / 室内楽における音響構成 / ベートーヴェンと同時代人の類似性 / ボン宮廷楽団 / 弦楽器書法 / 19世紀室内楽書法 / ベートーヴェンと同時代作曲家 / 楽譜資料 / 音楽分析 / アントン・エーベルル |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は主に弦楽三重奏曲とヴァイオリン・ソナタの研究で成果があった。まず弦楽三重奏曲に関して、ベートーヴェンと同時代の作品を重音奏法の用法に着目して比較したところ、二つ以上の弦楽器声部の音高を重ねる事例や持続的使用は、アルブレヒツベルガーやモーツァルトと比べてベートーヴェンとパウル・ヴラニツキの作品の方により多く見られた。一方、ヴァイオリン・ソナタに関しては、ベートーヴェンとモーツァルト、アントン・エーベルル、ドゥシークの作品を比較した。その結果、ヴァイオリンが休符やピアノとのユニゾンではない時にピアノが数オクターヴにわたるパッセージを奏する事例がベートーヴェンとエーベルルに顕著にみられるほか、ピアノのパッセージが上行、下行の両方向で連続的に反復する傾向が若い世代の作曲家にやや強く現れていた。これは楽器の発展により、広い音域をより自由に使えるようになったとも考えられる。この仮説が正しければ、ベートーヴェンの書法を検討するためには類似の特性を持つ楽器を用いていた同時代の作曲家との比較が不可欠と言える。 ヴァイオリン・ソナタについてはエーベルルとベートーヴェンの作品をより詳細に比較し、従来ベートーヴェンの作品について革新的かのように語られてきた手法がエーベルルの作品にも現れることを実証した。 またピアノ三重奏曲では弦楽器の重音奏法に着目した過年度の分析をさらに精査し、ベートーヴェンとシューベルトの作品に、弦楽器が特定の形での重音奏法を行う間、ピアノがより自由に音域を移動するという特徴を見出した。これは他の同時代人にはあまり見られないため、両者の独自性に含めうる。 このようにベートーヴェンの室内楽作品には音響に関わる点で同時代人との類似点が少なからず確認され、その使用は同時代人がベートーヴェンに先行する例もある。ここから今後も分析対象を広げて同様の研究を継続する意義があると言えよう。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)