亡命者が伝えた音楽――18世紀ドイツの音楽文化におけるユグノーの役割
Project/Area Number |
18J00522
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics and studies on art
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
七條 めぐみ 慶應義塾大学, 経済学部, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2023-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2018: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
|
Keywords | バロック音楽史 / 音楽文化史 / ユグノー / 宗教移民 / ドイツの宮廷音楽 / フランス趣味 / 楽譜出版 / 詩篇集 / 亡命ユグノー / 宮廷音楽 / フランス音楽 / ドイツ音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、17世紀にフランスを亡命したプロテスタント教徒(ユグノー)の文化的貢献という視点から、近世ドイツの音楽文化におけるユグノーの参画を明らかにしようとするものである。 2021年度は、「ドイツの宮廷におけるフランス人貴族、音楽家、舞踏家の活動」という観点から、先行研究および一次資料の収集・分析を行った。とりわけ、ゲオルク・ヴィルヘルム統治時代(1665~1705年)のツェレ(ニーダーザクセン州)において、宮廷が著しくフランス文化の影響を受けていたことに注目し、それがユグノーの亡命とどのように結びついているのかを考察した。 その結果、ツェレは必ずしもユグノーの主要な亡命先ではなかったにもかかわらず、多くのプロテスタント系フランス人が宮廷の要職に就いていたことが明らかとなった。それは、ゲオルク・ヴィルヘルムの妻でユグノーであったエレオノールの働きかけにより、郷里のポワトゥー(フランス西部)から親族やプロテスタント系の貴族が移住したことと関係する。 このような歴史的文脈を踏まえ、本研究ではツェレの宮廷音楽文化において、フランス人音楽家や舞踏家がどのように参画していたのかを主眼に調査を進めた。これまで、「宮廷帳簿Kammer-Rechnungen」に対する調査などから、1667年以降、複数のフランス人音楽家や舞踏家が宮廷楽団に在籍したことが明らかになっている。ツェレの宮廷ではフランス語の台本によるバレエが少なくとも3作、バレエつきの劇が少なくとも2作上演されたが、これらの人物の存在がフランス風バレエの上演を可能にしたと考えられる。 従来のバロック音楽史では、ドイツの宮廷におけるフランス趣味は、領主の好みや宮廷楽長の経歴によってもたらされたと考えられてきた。しかし、ツェレの事例は、ユグノーの亡命という宗教的な事由により宮廷の構成員が変化することで、文化移転が生じたことを示している。
|
Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)