線虫を用いた、成長にともなう行動パターン変化を制御する機構の解析
Project/Area Number |
18J11948
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neurophysiology / General neuroscience
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
日野 喬央 九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 嗅覚 / 成長 / 線虫 / 行動変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
成長にともなうジアセチル走性の亢進において、egl-4遺伝子がどのように走性に関わる神経機構に影響しているのかを調べた。これまでの実験から、egl-4変異体の走性の異常はAIYの機能の変化が原因である可能性が高いことがわかった。そこで、AIY介在神経において、カルシウムプローブを用いたイメージング実験を行い、ジアセチル刺激時のegl-4変異体のAIY介在神経の神経応答を調べた。野生型のAIYは匂い提示時に興奮するのに対し、egl-4変異体のAIYは、匂い提示時に加えて匂い除去時にも興奮することがわかった。AIY介在神経の興奮は前進行動を引き起こすため、匂い除去時のAIYの興奮は匂いがない方向へと線虫を進ませると考えられる。このような異常なAIYの応答は、egl-4変異体の走性がAIYにより低下することの原因であると考えられる。さらに、この匂い除去時の応答はAWC嗅覚神経からの入力により引き起こされることが、AWC嗅覚神経を欠損させたegl-4変異体を用いた実験からわかった。AIYへ入力するAWC嗅覚神経の匂いに対する応答のパターンはegl-4変異体においても変化していなかったことから、egl-4変異体において、AWCからAIYへ経路における嗅覚情報の処理に異常がある可能性があることがわかった。また、予想外にも、egl-4遺伝子に異常がなくとも、AWAを欠損した変異体のAIYにおいても、AWC嗅覚神経に依存した匂い除去時の興奮が観察された。これらの結果から、AIYの匂いに対する応答は、AWA嗅覚神経とAWC嗅覚神経の両方により、協調的に制御されていることが示唆された。二つの嗅覚神経から下流の介在神経へ情報が統合される過程を調節することにより、幼虫期と成虫期の匂いに対する走性がコントロールされているのかもしれない。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)