将来の高CO2環境を見据えたRubisco含量の最適化によるダイズ生産性の向上
Project/Area Number |
18J13173
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Crop production science
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
迫田 和馬 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ダイズ / 光合成 / 高CO2 / ルビスコ / CO2固定 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイズ品種エンレイを親品種とする約1500系統から構成される変異体ライブラリーより、ルビスコ小サブユニットをコードする核内遺伝子(GmRbcS; Glyma.20G134660)を機能欠損する変異体系統(Gmrbcs)をスクリーニングした。Gmrbcsおよびエンレイ(野生型系統)を環境制御型温室において大気CO2条件でポット栽培し、個葉のルビスコの含量と活性化率、またガス交換測定に基づき光合成特性を解析した。野生型と比較して、Gmrbcsのルビスコ含量は29.7%低く、活性化率は10.5%高かった。大気CO2条件 (CO2濃度400 ppm) では系統間で光合成速度に差異はみられなかったが、気孔を介したCO2の拡散効率(気孔コンダクタンス)はGmrbcsで低い傾向となり、Gmrbcsの葉内細胞間隙CO2濃度は野生型より有意に低かった。一方、高CO2条件 (CO2濃度1000 ppm) では、系統間で光合成速度、気孔コンダクタンスおよび葉内細胞間隙CO2濃度に明瞭な差異はみられなかった。いずれのCO2条件においても、Gmrbcsのルビスコ当たりの光合成速度は野生型より33%以上高く、また光合成速度の気孔コンダクタンスに対する比として表される水利用効率は18%以上高かった。 本研究では、個葉のルビスコ含量が減少したダイズ系統 Gmrbcs の作出に成功した。Gmrbcsではルビスコへの窒素分配量が減少し、他の光合成関連タンパク質への窒素分配量が増加した結果、葉緑体におけるCO2固定の効率が高まり、個葉の窒素利用効率が向上している可能性が示された。またこのことは、Gmrbcsの高い水利用効率にも寄与したと考えられる。よって、本研究は将来的な高CO2環境や乾燥環境において低コストで高い生産性を実現するダイズ品種の育成に資する重要知見を示した。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)