Project/Area Number |
18J13304
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geometry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石橋 典 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Teichmuller-Thurston理論 / 変異ループの擬Anosov性 / 代数的エントロピーの決定 / Weyl群のクラスター実現 / 高次写像類群の構造 / 高次Teichmuller空間の対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではクラスター代数における自己同型群であり曲面の写像類群の一般化でもあるクラスターモジュラー群について、そのクラスターアンサンブルへの作用の力学系的性質について研究した。 曲面の写像類群に関するTeichmuller-Thurston理論のクラスター代数への拡張は研究計画段階からの主な指針であったが、私は狩野隼輔氏との研究討議を通じてこれを部分的に遂行し、擬Anosov性の一般化としてクラスターモジュラー群の元(=変異ループ)について「符号安定性」という条件を導入した。符号安定な変異ループの力学系的性質を精査することにより、擬Anosov写像類の伸縮因子と同様に「クラスター伸縮因子」と呼ばれる代数的整数が定義でき、さらにはこれの対数を用いてクラスター変換の代数的エントロピーが評価できることなどを示した。これは擬Anosov写像類に対し、その曲面への作用の位相的エントロピーを伸縮因子の対数で与えるThurstonの古典的な定理のクラスター類似である。クラスター変換の代数的エントロピーは変異ループのクラスターアンサンブルへの作用における基本的な力学系的特徴量であり、またその値が0であるか否かは離散可積分系の文脈において重要な問題である。 曲面の写像類から定まる変異ループについては擬Anosov性と「一様な」符号安定性が同値であることが分かっており、現在論文を執筆中である。この結果により私が以前から研究してきた「Nielsen-Thurston分類のクラスター代数化」は精密化され、符号安定性が擬Anosov性の一般化としてよりふさわしいものであることが分かった。 以上の研究により、Teichmuller-Thurston理論の一般化としてのクラスターモジュラー群の理論は深化し、曲面の写像類群に対する新たな洞察をもたらすとともに離散可積分系との新たな関連も見出されることとなった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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