Study of miniaturized structure devices by single atoms and molecules manipulation
Project/Area Number |
18J14221
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanomaterials engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
手面 学 筑波大学, 数理物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2019: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2018: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | その場電子顕微鏡法 / ナノデバイス / 界面構造 / ナノカーボン材料 / 高温変形 / 原子直視観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコンデバイステクノロジーの限界を打ち破り、新機能性極限デバイス開発を目指す。この分野の大きな問題点は、材料を調べる手法が限定的だったこと、およびデバイスの主構成分子が限られていたことである。これに対し、平成30年度は以下の問題に取り組んだ。 (1) 観察条件の拡張:これまで開発してきた「その場電子顕微鏡法」をさらに改善し、新しい機能を加え、実用時の環境や特殊な環境を再現し、極限デバイスの構造と諸特性を研究する基礎を築いた。具体的には、常温だけであった観察温度を選択的に制御する電子顕微鏡内加熱機能を開発した。この手法を用いて、1350 Kの高温環境下で幅が数ナノメートルの金属配線が変形、破壊する過程を原子レベルで観察した。1350 Kの高温環境下では、室温のときとは異なり金属配線のネック部分が自己修復した。これらの成果を国際学会(MRS Fall Meeting & Exhibit-2018等)で報告した。 (2) 単一ナノカーボン(カーボンナノカプセル)分子デバイス研究の拡張:これまで研究してきた単一カーボンナノカプセル分子デバイスでは、デバイス設計の基礎となる界面構造と界面接触抵抗率の関係がわかっていなかった。平成30年度は、それらの関係を実験および理論計算を用いて調べた。金属とカーボン層界面の構造が変化すると界面接触抵抗率が変化した。この数~数十平方ナノメートルサイズの界面の接触抵抗率は、平方マイクロメートルサイズ以上の界面のそれと比べ、1/10000程度であった。さらに、界面のナノサイズ化による接触抵抗率の減少は、マイクロサイズ以上のときとは異なるナノサイズ界面固有の電気伝導機構によって発現することが明らかになった。これらの成果を国際学会(MRS Fall Meeting & Exhibit-2018等)で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)極限デバイスの局所加熱が可能な高温試料ステージの開発 従来、常温でしかできなかったナノ電極操作、電気伝導および機械的特性の測定を、高温でもできるように新たな加熱ステージを設計・製作した。また、本手法を用いて、1350 Kの高温環境下で幅が数ナノメートルの金属配線が変形、破壊する過程を原子レベルで観察した。1350 Kの高温環境下では、室温のときとは異なり金属配線のネック部分が自己修復した。これらの成果を国際学会(MRS-2018等)で報告した。
(2)単一カーボンナノカプセル分子デバイスのカプセル分子と電極界面の特性調査 接触面積を変化させ、接触界面の構造に対応した接触抵抗率を求めた。これを方位関係の異なる多くの接触界面で調べた。次に、観察像から作製した原子モデルを基にした像シミュレーションと第一原理計算を行って伝導経路や各経路の電子の流れ易さを調べ、実験結果と合わせて接触界面おける電気伝導機構を導いた。このナノサイズ界面の接触抵抗率は、マイクロサイズ以上のそれと比べ、1/10000程度であった。さらに、界面のナノサイズ化による接触抵抗率の減少は、マイクロサイズ以上のときとは異なるナノサイズ界面固有の電気伝導機構によって発現することが明らかになった。これらの成果を国際学会(MRS-2018等)で報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は以下の課題に取り組む (分子種の拡張)これまで扱ってきたカーボンカプセルだけでなく、様々な分子を用いた単一分子デバイス研究に取り組む。特に、カーボン原子で構成された幅が数ナノメートル以下のナノリボンや一次元構造体をデバイスの主構成要素に用いる。この極限微細デバイスは、バンドギャップをもつため、ナノ半導体デバイスとして使用できる。さらに、ナノ光デバイスとしての可能性も期待される。究極に微細化したこのデバイスは、挑戦的な観察対象である。そのため、まずこのデバイスの観察条件を確立する。その後、直接観察と電気伝導、力、および発光・分光の同時測定可能な「その場電子顕微鏡法」を確立する。 最終的に、ナノデバイスの機能となる諸特性を探る。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)