ケニア山における氷河縮小が山麓水環境に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
18J14966
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大谷 侑也 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2018-04-25 – 2020-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2019: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アフリカ / 熱帯高山 / ケニア / 熱帯氷河 / 氷河縮小 / 地域住民 / 安定同位体 / 水の年代測定 / ケニア山 / 同位体環境学 / 水資源 / 水環境 / 高度効果 / 涵養標高推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケニア山の標高ごとに採水した降水サンプルのδ18Oから高度効果直線(E(m)=-380.96*δ18O+3496.4)を算出した.この直線により涵養標高を推定することかができた.山麓湧水のδ18O の値を高度効果の直線に代入すると,約4,900mとなった.また山麓河川水のδ18Oの平均値(-3.03‰)を代入すると4,650mとなり,山麓湧水ならびに山麓河川水は,氷河が多く存在する高標高帯の水が涵養源となっている可能性が示された. ケニア山山麓湧水に対して,トリチウムとCFCsの測定を行なった結果,山体での涵養時から40年から60年かけて山麓に湧出していることが明らかになった.40から60年前の当時,ケニア山の5,000m付近には広大な氷河が存在していた.一方で,今回年代測定を行なった山麓湧水の涵養標高は4,761mから5,065mと算出されている.以上の結果から,過去の高標高帯の融雪水,氷河融解水が地下に浸透し,40から60年の時間をかけて流れ下り,現在の山麓に湧出している可能性が強く示唆された. ナロモル地域はケニア山山麓の他地域と比べ,降水量が少なく乾燥している.そのため多くの農家は灌漑用水をケニア山由来の河川水に依存している.ケニア山西麓のナロモル川で調査・解析を行った結果,その河川水量は,1985年から2015年に至るまで,減少傾向にあることがわかった.また,その河川水の減少により,栽培できる作物種は乾燥に強い作物種(ジャガイモ,小麦,トウモロコシ等)に限られていることが確認された.本地域では河川水利用のための施設を拡充してきたが,その大もとの取水源であるナロモル川の水量は減少傾向にあり,その原因として考えられるナロモルの人口増加や氷河縮小による融解水の減少は,今後も本地域の水資源に影響をもたらすことが予想される.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)